本日(9月27日)の日本経済新聞の「春秋」(朝日新聞なら「天声人語」に相当する部分)に、池上永一さんの小説「テンペスト」が取り上げられていました。
主人公は頭脳明晰な美少女の真鶴。男装して名を孫寧温と改め、王府入りして、次々と難題を解決していく。奇想天外な物語だ。かのペリーの琉球来航も、巧みな外交術で上手にあしらってしまう。寧温が実在してくれたら…。読み進めていくと思わず、いまの沖縄の米軍普天間基地の移設問題と重ねてしまう。(略)
『どうか琉球を愛し続けてください。』
『日本に併合されたことを五十年後、百年後の民が心から喜べるように琉球を愛することを約束します。』
かの「テンペスト」の終章。真鶴と、互いに恋する日本の内務官僚の間にこんな会話がある。沖縄出身の池上さん、いや沖縄の人々の悲痛な願いのようにも、聞こえてくる。
(以上、2011年9月27日 日本経済新聞「春秋」抜粋)
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ペリーとの外交については、過去の記事テンペスト(西のアザナ 寧温の巧みな外交)で触れています。よろしかったらご覧ください。
寧恩は実在していませんが、当時の琉球の役人の巧みな外交は事実だったようです。
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