11月25日(土)、第1回達人戦立川立飛杯の準決勝2試合と決勝が、立川ステージガーデンで開催され、観てきました。
達人戦は、50歳以上の棋士48名が参加する日本将棋連盟の新しい公式戦。すなわち、藤井聡太さんは当分参加できない。
特別協賛は(株)立飛ホールディングス、協賛はトヨタS&D西東京株式会社。
試合は、広い会場内に設けられた対局席。周囲を1000人以上の観客が囲む。
持ち時間は各30分で、使いきると1手30秒以内に指さなければならない早指し将棋。
【準決勝 羽生善治九段-森内俊之九段戦】
10時開始。対局前の様子。
こちらを見ているのは、森内俊之九段(タイトル12期)。羽生善治九段(タイトル99期)と同い年の53歳。
二人は小学校4年生で初対局。公式戦の対戦成績は羽生79勝、森内60勝。40年以上のライバル。
勝負が始まると、会場の照明は落とされ、たくさんの観客は物音をたてず、静寂を守る。異様だ。
時折、棋士が、バシッと駒を盤面に打つ音が、3階席まで鳴り響く。
対局席の後方には、大きなスクリーンがあり、二人の対局姿や、別室の大盤解説が映し出される。
観客は、イヤフォンで、解説を聞きながら、目の前の対局を固唾をのんで見守る。
二人とも、持ち時間を使い切り、秒読みに追われながら差す展開。
30秒はあっという間。手番が来たらすぐに10秒、続いて20秒、1,2、3、4と畳みかけてくる。
秒読みの声が28,29で一瞬切れて、森内九段の時間切れの負けかと思った瞬間、慌てて打った駒が盤上の駒を乱してしまい、羽生さんも直すの手伝った。
読み上げ係が、玉の位置を間違えて読み上げたときは、羽生さんガン見し、直ぐに訂正した。
試合中はスマフォは禁止。森内九段が93手で投了したところ。羽生九段が決勝進出となった。
【トーナメント表】
ABEMA TVで実況があるが、観客は残念ながら観れない。
【準決勝 佐藤康光九段-丸山忠久九段戦】
13:30対局開始。開始前の様子。
こちらを向いて対局を待つのが佐藤 康光九段(タイトル13期)54歳。前の日本将棋連盟会長。
背中は、丸山 忠久九段(タイトル3期)53歳。羽生さんと同世代だけど、苦労してタイトル獲得しているね。
佐藤九段が、30秒の時間に追われ、駒台から打った駒が盤上で散らかった。そのすぐ後に117手で投了。
30秒将棋は、厳しいね。ギリギリまで考えるから、こういうことが起きるんだ。
丸山九段が、決勝進出。
【決勝 羽生善治九段-丸山忠久九段戦 】
16:30対局開始。
熱戦が続いたけれど、139手で丸山九段が投了。羽生九段が優勝。
【表彰式】
日本将棋連盟会長の羽生さんが、優勝者の羽生さんに、賞状を読み上げて、渡す。
「表彰状 羽生善治殿 貴方は第1回達人戦達立川立飛杯において……栄誉をたたえ表彰します。令和5年11月25日 日本将棋連盟会長 羽生善治」
自分で自分を表彰する式典、初めて見た。静かだった観客が、大いに湧いた。
大きな拍手が寄せられる。
羽生九段の扇子「少しずつ前へ進む」
タイトル100期に向けて、少しずつ前に進んでほしい。
NHKTV将棋番組の取材「2024年の将棋界について100人アンケート」を会場で受けた。
- 来年の活躍する棋士の名前は?
⇒藤井聡太さん
- その理由は?
⇒勝負に勝った後の感想戦で、藤井さんの奥深い考えを知った相手は二度負ける。
- 羽生九段のタイトル100期の実現は?
⇒タイトル挑戦2回を目指してほしい。
藤井さんを倒してタイトル100期達成したら、凄いこと。羽生さん完全復活なるか。
達人戦の結果は、以下のYoutubeがわかりやすいです。
【達人戦】 本戦終了 「初代達人決定!! 表彰式はまさかの・・・?」 2023/11/26 【将棋、確率分析、ゆっくり解説】
凄い緊迫感が伝わって来ますね。息を呑むような対局ですが、羽生さんが御自分を表彰するってどんな気分なんでしょう(笑)
forever_greenさんは将棋がお好きのようですが段位とかお持ちなんですか?
羽生さんはいつも賞状を渡す立場なので、自分に渡すことをやってみたかったようです。読み上げ後、賞状を回転させて相手に渡しますが、今回はその必要がなく、受け取る姿が一人二役とニュースになってました。
将棋は観るだけです。頭がついていかないです(笑)