現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

新潟大地震 つづき

2007-07-17 09:23:33 | 虚無僧日記
新潟大地震のニュースを新聞TVで見聞きするにつれ、
人知れず涙した。新潟には格別の思い入れがある。

私の父は会津出身なので、新発田連隊から出征した。
帰国後、東京電力に勤め、私が学生の頃は、小千谷に
ある信濃川電力所の所長として単身赴任していた。
小千谷は江戸時代会津藩領であったため、「食べ物も
言葉も風俗習慣も一緒だ」と喜んでいた。
私も学生時代よく遊びにいき、親に内緒で虚無僧行脚
したものである。

「親鸞さんはじめいろんな方が流されて来た土地です
からね、よそから来た人を快くもてなすのです」と、
どこへ行っても親切に迎えてもらった。
数年前、かつて旅した所を回り、世話になった方々を
探したが、町の様子もすっかり変わっていて判らなか
った。
あの人たちは、この地震でどうしているだろうという
思いがこみ上げてくるのだ。
柏崎原発の火災も心痛む。父はいい時に退職した。

        

鳩の死と「千の風になって」

2007-07-17 07:10:00 | Weblog
毎朝夜が明けると、ベランダに一羽の鳩がやってきて、私
を起こしてくれる。餌をねだりにくるのだ。

「千の風になって」あちこちでリクエストされる。その歌詞
に「朝は鳥になって あなたを目覚めさせる」とある。鳩に
向かって「あなたはいったい誰」と声かけてみる。

少し前まで、番(つがい)で来ていた。鳩は夫婦仲がいい。
他の組とも絶対に喧嘩しない。縄張りに入ってくると、
ククーククーと声を出しながら、しきりに首を動かし、イヤ
イヤと意思表示をする。くちばしで攻撃するようなことは
しない。鳩が平和のシンボルとされる所以だ。

ところが周りの住民から苦情がきた。「朝早くからうるさい」
「糞が困る」というものだ。鳩駆除の業者に頼んで捕まえ、
処分するという。他人に処分されるくらいならと、自分で
捕まえて段ボールに入れ、車で遠くまで運んで離してきた。
その間全然あばれない。じっとしていて、段ボールの蓋を
あけると「なに?」と首をかしげてこちらを見る。あるが
ままの境遇を受け入れる。悟りきっている。

川向こうまで行って離したのに、翌朝また来て、ゾーッで
あった。あんな仕打ちをされても、また寄ってくるのだ。

その一羽がカラスに襲われ死んだ。落ちるのを目撃して
いたのだが、落下地点をいくら探しても遺体がない。
「鳩やカラスの死骸がないのは不思議」という本があった。
そのまま昇天してしまったのか。

鳩は一羽になった。カタワレを失った鳩が淋しそうに、
今日も来ている。餌はパンの耳。