現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

12/7 尺八と一休語り

2008-12-08 09:03:20 | 虚無僧日記
昨日12/7 短歌会館主催での私の独演会が無事?終わった。
定員40名のところ60名の申込があり、午前午後の2回公演
となった。お客の反応はいかに?アンケートを後日コピーして
送ってくれるそうだが、見るのが怖い。

丁度10年前、会社をリストラ退職し、虚無僧となって、
『尺八と一休語り』の自主講演もスタートさせた。不況、倒産、
リストラは、当時マスコミが飛びつくネタだった。その後
万博で名古屋はイケイケドンドンの好景気だったが、ここに
きて突然の不況の嵐。「一休語り」も復活かと期待している
のだが、今回マスコミからは完全無視された。
一休の時代の「一節切り」を公開することをメインにレリース
を送ったが“なしのつぶて”。取材依頼に出向いたが「尺八?
ダメですね」と内線電話越しで断られ、会ってもくれない。

今朝の新聞には中国人の二胡や韓国の音楽の演奏はカラー
写真入りで載っているのにだ。自国の文化にこの無関心さは
嘆かわしい。

最後の戦犯

2008-12-08 07:43:59 | 社会問題
12/7 NHKスペシヤル「最後の戦犯」を観る。
中居くんの「私は貝になりたい」を観た後であり、舞台が、
先日行ってきた福岡と多治見ということも関心を寄せた。
【制作】NHK名古屋放送局 
【脚本】鄭 義信
【原案】小林 弘忠 「逃亡~油山事件戦犯告白録」
【出演】ARATA/倍賞美津子/原沙知絵/中尾彬/村田雄浩

テレビ嫌いな私だが、久々に緊張して食い入るように見た。
どうしても「私は貝になりたい」と比較してみる。「最後の戦犯」
は実在した佐田野修氏の手記を基に脚色されたから、事実に基づき
リアリティがある。

昨年夏「『私は貝になりたい』の真実」というドラマもあった。
これによって「私は貝になりたい」が、新潟の俘虜収容所での
捕虜殺害事件を基に、事実を大きく捻じ曲げて脚色されたものと知る。
事実から離れると嘘臭さが鼻についた。その思いは、映画監督の崔
洋一氏が12/4の中日新聞で「ずれた主眼、浅いドラマに。製作者の
意図する涙は残念ながら一粒も出なかった」と書いてくれている。

これに対して「最後の戦犯」は納得いく展開と映像描写だった。
予告では判決がどう出るのか結論を知らせていなかったが、案の定
死刑は免れホッとした。それにしても、同じ罪で死刑になった人と
朝鮮戦争のゴタゴタで減刑とは、裁判の公平さを欠く。戦争犯罪を
裁く法廷そのものが何だったのかと問われてしかるべしだ。

冤罪その1 帝銀事件

2008-12-08 00:56:43 | 社会問題
12/4 北九州市の小倉城内にある『松本清張記念館』で、
清張の『日本の黒い霧』を題材にした映像を観た。当時の
貴重な映像フィルムを網羅して『帝銀事件』を解説していた。

帝銀事件は1948年(S23)私が生まれた年に起きた。
「誕生日の日の新聞」には『帝銀事件』が1面トップに
書かれてあるので、子供の頃から関心を持っていた。

帝銀椎名町支店の行員12名が青酸化合物を飲まされて死亡し
金が盗まれた事件だ。犯人は青酸化合物の扱いに手慣れており、
その致死量などを熟知している人物として731部隊関係者を
警察はマークするが、GHQの圧力で捜査は止められ、毒物の
知識など全くない平沢透氏が逮捕された。自白を強要されての
死刑判決から40年、平沢道貞は無実が晴れぬまま1987年
(S62)95歳で獄中死した。救う会や遺族によって今なお
再審請求が続けられている。
帝銀事件の後、弘前大教授夫人殺害事件、下山国鉄総裁轢死事件、
三鷹、松川の列車転覆事件と続く。戦後はまさに「黒い霧の中」
だった。こうした冤罪事件は戦後40件以上もあるという。

松本清張の執拗克明な調査と推理力で、平沢貞道の「無実」は
明らかと思われるのだが、それを認めようとしない国家権力の
横暴には身震いする。だから「裁判員制度」が導入されたと
いうが、「12人の怒れる男たち」を見ても、人が人を裁く
恐ろしさを思わざるを得ない。