現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

五木寛之 『親鸞』

2013-12-07 21:14:01 | 五木寛之
中日新聞に連載されている五木寛之『親鸞』。

浄土宗が抱える問題を 判りやすく説明してくれている。

「“南無阿弥陀仏”と一回でも唱えれば、それまでどんな
悪事をした者でも極楽に往生できる」と言う者もあれば、
「毎日毎日、何万回も唱えなければ極楽往生はできない」
と説く人。

「造悪無碍(むげ)」とは「何をしてもかまわない。
悪事を働いてもよい。むしろ、悪人こそが救われる」
という考え。
 
これでは、為政者からみれば 法を犯す罪人。弾圧の
対象になる。

これに対して、為政者に取り入ろうとして、ひたすら
善行に取り組むべしと説く道場も生まれる。

各自が勝手な解釈をして、念仏道場を開く。道場の掟に
違反したものは厳しく制裁を加え、そして道場同士が
信徒の獲得で争う。

親鸞の長男「善鸞」は、説教に節をつけて歌い上げる
「唱道」に己の才を見出すが、親鸞は納得しない。

何が正しいのか親鸞も悩み苦しむ。そもそも「悪人
とは何か」が はっきりしないと。

宮沢・レーン事件

2013-12-07 20:24:37 | 社会問題
「特定秘密保護法」に各界こぞって反対の“のろし”を
挙げている。民意を無視した自民党の暴挙には、将来に
不安を感じる。


中日新聞の政治風刺漫画が面白い。

石破幹事長が「特定秘密保護法案」に反対するデモを“テロ”と
断じた問題で、「佐藤正明」の4コマ漫画

石破 「謝罪はいたしました」
記者 「でも あいかわらずデモには批判的ですよね」
石破 「人に恐怖を与えるような大音量でもって」
記者 「でも それをテロの一種と定義しているんですよね」
石破 「テロと断定しているのではない」
記者 「でも、本質において変わらないと」
石破 「“でも、でも”ってうるさい! 黙ってろ!!」
記者 「あ、“でも”“てろ”って言った」

国会周辺他、各地でデモが行われているようだが、60年、
70年安保の時のような過激な闘争にならないのは、今の
若者がそれだけ“良識”があるということか。


そして、「宮沢・レーン事件」というのが、マスコミ各紙で
とりあげられている。

太平洋戦争開戦当日の昭和16(1941)年12月8日。
北海道帝国大学の学生だった宮沢弘幸さんが 特高警察に
逮捕された。逮捕容疑は、宮沢氏が、北海道根室や
樺太(現ロシア・サハリン)などへ旅行し、そこで
見聞きしたことを、米国人のレーン氏に話したことが
「軍機保護法違反」に問われたのだった。その内容は
公にされている事実だったが、宮沢氏とレーン氏は
懲役15年の刑で投獄された、という事件。


なるほど、わかりやすい例かも。父親が原発やロケットの
仕事に携わっていたり、自衛隊員だったりで、父親から
聞いた話を うっかり 他人に話すと“逮捕!”かも。