東北大学では、宗教の違いを超えて、死期が迫った患者や遺族への
心のケアを行う「臨床宗教師」の資格制度創設を目指すという。
ある調査で「死に直面したときに心の支えになる人」の回答は、
「配偶者」が約7割、「子供」が約6割に対し、「医師」が約2割で、
「宗教者」は4.2%に過ぎなかったそうな。そもそも日本人は信仰心が薄い。
「僧侶は葬式を行う人とのイメージが強いから、まだ生きているうちに、
僧侶が現れるのは “縁起が悪い”と嫌われる。
仏教は宗派によって、説くことが 真逆だから、患者の心にフィットするか
どうか。
死後の霊界や来世の生まれ変わりを信じない人には、禅宗。
信じる人には真言密教。極楽往生を願う人には、天台宗か浄土宗、
浄土真宗。
とかく僧侶は、自説を押し付けるばかりになりがちだ。
「死にゆく人に必要なのは、話を聞いてあげ、心に寄り添ってあげること」
実は今、私のパートナーが死と直面している。余命半年と覚悟して、
すべてを受け入れている。不安も悲しみも、怒りも嫉妬もない。
仏の悟りの境地に達している。
毎日、側に寄り添っている私の方が癒され、仏の高みに引き上げて
もらっている。