『零の進軍ー大陸打通作戦』吉岡義一著
「打通作戦」とは、制海権を失って海上輸送が困難となった日本は、インドシナからの米や石油を運ぶために、上海からタイまでの1,400km の陸路を切り開こうとした作戦。そのために大量の軍隊が投入され、ただひたすら、敵中を行軍した。食料の補給はゼロ。現地調達。兵士には行き先も告げられず、情報もゼロ。ただただ頭を からっぽ(ゼロ)にして、上官の命令のままに行動させられた。
実際に敵と遭遇して、名誉の戦死を遂げた者は 3割。7割が衰弱して置き去りにされたり、絶望して自殺、逃亡、そして病死。犬死だ。
一昨年だったか、NHKでも「会津若松第65連隊の悲劇」として取り上げられた。私の父も参加していて、『従軍記』を書き残しているが、この『零の進軍』の著者「吉岡」氏は、熊本の連隊。上下二巻に及ぶ、実に詳細な記述で、「戦争で負けているとは思っていなかった」とか「中国人は戦後も親切にしたくれた」など、父の話とも共通する。
当方は福島県郷土部隊を中心とした戦争体験を研究しています。もし可能でしたらその従軍記について詳しくお教えいただけないでしょうか。ブログ「ふくしまの戦争資料室」主宰者より