「宵越しの銭は持たねぇ」江戸っ子気質の私。
毎年、大晦日で所持金をすべて使い果たして、貯金もゼロ。
正月はゼロスタート。
それで虚無僧に出ることに。熱田神宮へ向かう。
敬老パスで地下鉄に乗って「伝馬町」で降りて秋葉神社に向かうと、
すぐ「あ、虚無僧だ」と 数人が立ち止まる。
「手ごたえあり」と 尺八を吹くと、次々にお布施が。
若いカップルがしばらく聞いてくれていて、2,3曲吹き終えたところで、
近寄ってきて「牧原さんですよね」と。
なんと、「おととし、ここでお話しを聞かせていただきました。
携帯ケースに虚無僧の絵が描かれているのを持っていたので」と。
それで私も思い出した。
「去年はお会いできず 残念でした」とも。
もう感激。よくぞ名前を覚えておられたと感心。
あの時、あの場所で再会するなんて、何億分の1の確率。
宝くじに当たるより難しい。まさに奇跡。
こういう出会いがあるから楽しい。
帰路 地下鉄の中でも「ナウいね、恰好いいね」と声をかけられ、
さらに、ご婦人から、布施までいただいた。
こんなことは、最近無かった。
これに気を良くして、2日、3日も虚無僧に出たが、
全くダメ。誰も見向きもしてくれない。
期待すると、失望する。
虚無僧は「求めない」心を培う修行と悟る。