尺八の元祖は、ペルシャの葦笛ネイ(ねい)だと言われている。
それ以前、エジプトでは「セピ」と呼ばれていた。
BC527年、工ンブトはペルシャ(イラン)に征服され、ペルシャでは「葦」を意味する「ナイ、ネイ」または「イネ」と呼ばれるようになり、中国に伝わって、竹で作られるようになったと。
[礼言」[詩経」などには「伊耆の葦(イヤタ)」と書かれてある。
現代でも、「ネイ」は、西アジア、中央アジア、北アフリカで吹奏されており、「ナーイ」とか「カサバ」とも呼ばれている。
尺八や洞簫と違う点は、歌口を斜めに切っておらず、管の上端を下唇に置くか上歯に当て、送り込む空気の量と方向を舌で調節しながら吹奏する。そのため、斜めに構える。
音質は、尺八に似ているが、尺八よりは「息(風)の音」が強く入る。
それで、この「ネイ」と「尺八」は別種の系統と私は思う。
尺八はローマの縦笛「Tibia」がシルクロードを経て中国に渡ったと私は考える。
「Tibia」は「脛の骨」の意味で、動物の骨で作られた管楽器。「Tibia(チーパ)」に「尺八」という漢字を当てたとするのが自然である。
「イネ、ナイ、ネイ、セビ」とは言語的にも結びつかない。