おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

必読!!「日本型リーダーはなぜ敗れるのか」

2013年05月26日 | Weblog

 

午前5時の気温はプラス4度といささか寒い。

ではありますが、天気がとってもよろしい。ウキウキするようなピーカンでござる。

日中はかなり気温が上がるに違いないのです。いい一日になりそうな…

写真はつい先ほど撮影したニセコアンヌプリ。雪の多いことったら、地元民のおぢがビックリするほどでござる。

そういえば、いつもならゴールデンウイークに冬の道路閉鎖が解除となる「ニセコパノラマライン」がいまだに不通でござる。

ニセコ蘭越方面と、岩内方面をつなぐ観光道路なのですが、開通のめどが立ってないそうな。

知床横断道路でさえ、6月1日開通の見通しというのに、こちらは雪が多くて、雪崩の危険もあり、作業が進まないとか。

とんでもないことになってます。

さて、

文藝春秋6月号、読みました? 

今回は「原発事故と太平洋戦争 日本型リーダーはなぜ敗れるのか」に惹かれて買い求めのです。

作家の半藤一利さんと、ジャーナリストの船橋洋一さんの対談で、これが面白い。

半藤さんは文春の編集長などを経て、「日本のいちばん長い日」を大宅壮一のゴーストライターとして書いたり、「ノモンハンの夏」などを書くなど昭和史に詳しいお方。

船橋さんは、このほど「カウントダウン・メルトダウン」で大宅壮一賞を受賞した元朝日新聞の記者。

ふたりが「戦後最大の国難」である福島第一原発事故について、先の大戦と比較しながら、あれこれ語っておるのがまことに興味深いのです。

結論から言えば、「日本には真のリーダーがいない」ってこと。

今回の事故では政府で「最悪のシナリオ」というものが、つくられたそうです。

ニッポンでは戦後、こうした最悪のシナリオというものを一切つくらなかったそうですが、そこはふたりともたいした評価しておる。

そう、人間、最悪を想定しておれば、怖いことはほぼありありませぬ。

これは旧友Sがいつも言っておることで、おぢもできるだけ実践しております。

外貨預金を始めたのも、ニッポン国債の大暴落、「ギリシャ悲劇の再来」「韓国のIMF体制」を危惧したものに他なりませぬ。

いまは、日本円になってますけど、国債大暴落ともなれば、預金はただちに米ドルか豪ドルにいたします。

これで預金はとにもかくにも守られる。

株はドンだけ損失を抱えても、すべて売却。

でもって、ここは世紀の大チャンスですから、カラ売りして儲けて、底を打ったとみたら、今度は買いまくり。

これが危機に対応するウフフな「大儲けシナリオ」。

国家財政破たんという最悪の事態を想定して、おぢはウハウハになる想定をしておるのです、スマンね。

ま、韓国の事例に学ぶとそうなるんだな、これが、、、

話は戻って、福島第一原発の吉田所長に、アメリカのサイト支援部長のチャールズ・カストナーさんという方が会ったときのくだりも面白い。

カストナーは吉田さんに「作業員たちはちゃんと寝てますか」と聞いたそうな。

アメリカ人は長期戦を念頭に置いて、危機に対処しようと考えている。

一方吉田さんはというと、「被災者が、寒いなか食うや食わずで、雑魚寝を強いられている。それを思うとき、現場の待遇を良くすることはできない」と。

また、吉田所長の最終戦闘プランは「特攻隊による玉砕」だったというから、アメリカがニッポンに対して危惧したのは、実はそこではなかったかとしておる。

作業員の健康を考え長期戦で臨もうというアメリカ、場合によっては玉砕する覚悟の吉田所長。

まさに先の大戦の再現でござる。

また、311の前年、中部電力の浜岡原発で「全電源喪失による冷却機能喪失」という訓練をしていたそうな。

あとから考えれば福島第一原発事故と同じ想定なのです。

当時これを視察した経産副大臣が「最後まで電源が入らなかった場合の訓練はしなくていいのか」と尋ねたら、担当者は「住民が不安になるからそれはできません。電源が回復されないことは絶対ありませんから」と答えたそうな。

つまり訓練といいながら、訓練ではなかったということ。

しっかり最悪を想定していないのです。

これはおぢも書きましたけど、泊原発でも去年だか今年だか、「原子炉に直接水を入れる訓練をした」という。

けれど、実際原子炉に水を入れてみたわけではないのです。

訓練という「式次第」しかやってない。

フクシマの事故でも、何号機でしたか、復水器から水をジャンジャン入れたはずだけど、実は別のところに溜まっていたって話もありました。

ニッポンでは訓練といいますけど、実態は単なる「儀式」なのです。

これでは危なくてしょうがない。

このほか、対談では大戦時の軍官僚と今回の官僚の対応、リーダーのあり方について、あれこれ述べておる。

メンドイのであとは省略しますけど、文藝春秋6月号、ご一読をお勧めいたします。