おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

元防衛官僚、柳澤脇二さんの覚悟

2015年06月11日 | Weblog

 

午前6時の気温はプラス13度。

曇り空ではありますが、まずまずのお天気でござる。

さて、

週刊現代6月20日号魚住昭さんの「わき道をゆく」が、「権力を裏切った男の覚悟」と題して元内閣官房副長官補の柳澤脇二さんを取り上げておる。

柳澤さんは官邸で自衛隊のイラク派兵の実務責任者を務めた元防衛官僚。

今回の安保法制については「今までより確実にリスクは高まります。イラクではなんとか戦死者を出さずに済みましたが、あれ以上のことをやれば、必ず死者が出ると思います」としておる。

魚住さんは「安保法制の裏も表も知り尽くした人の言葉だから説得力がある」と書いておる。

そして、柳澤さんの著書「三十九年にわたる防衛官僚としての人生の集大成」には、以下のように書かれておるという。

「イラクへの自衛隊派遣は、自衛隊と日本社会、憲法解釈の限界であるとともに、人間として私自身が受け入れられる限界でもありました」と心情を吐露。

また「今の政府では『血を流すことが必要だ』と自ら血を流す立場にない人間が主張しており、元防衛官僚として、そのことに怒りを禁じえない」と申しておる。

そしてこうもある。

そもそも集団的自衛権とは、自国が攻撃されていない場合に他国を守るための根拠だから、柳澤さんは「これを行使しなければ日本を守れないという『具体例』を考え出すことに無理がある」としておるのです。

柳澤さんについては、過日も安倍総理が「柳澤さんは何でこんな初歩的なことをべらべらしゃべっているのか」と不快感をあらわにしておる。

権力の側にいて権力を支えた人が、防衛官僚としてイラクのPKOを体験し、いまは自衛隊員の側に立って「安保法制」のデタラメを批判しておるのです。

安倍総理にとっては、まことに不快な相手なのでしょう。

しかしこういう真っ当な人が権力者の側にいて、一生懸命仕事し、現行憲法下ではイラクまでが限界だと申しておるのです。

この声に耳を傾けないでどうする!!とおぢは思います。

イラクでの体験を「人間として私自身が受け入れられる限界でもありました」という柳澤さん、自衛隊を心から愛する元防衛官僚だ。

こうした人の意見を無視して進めようとする今回の安保法制、決して許されるものではないと、おぢは心底思うのでござる。