午前6時の気温はマイナス6度。
雪がジャンジャン降っておって、積雪は15センチを超えておる。
今朝は雪かきに加えて、仕事も控えておるので、朝からたいした忙しいのでござる。
さて、
「ノブレス・オブリージュ」という言葉がある。
イギリスの上流、中流階級に根付いておる考え方じゃ。
「貴族が負う義務」とでも訳すのでしょう。
金持ちやエリートが社会に対して責任を持つことを意味しておる。
そもそもは「騎士道精神」から来ておる考えという。
イギリスでは、国に事があれば真っ先に駆けつけるのが上流階級のエリートたちだ。
英国の皇太子もちゃんと軍隊に入るのもそのため、チャールズ皇太子の弟がフォークランド紛争に従軍したのもまさに「ノブレス・オブリージュ」だ。
イギリスの東大や京大にあたる、オックスフォード大やケンブリッジ大の若き学生が、第1次大戦では、戦場において先頭で戦ったという。
だから、イギリスでは金持ちやエリートに生まれた子どもたちの多くが戦争の犠牲となった。
特権階級は、その特権ゆえ、いざというとき庶民の先頭に立って命を投げ出したのです。
翻って、我がニッポン国における先の大戦では、陸軍士官学校出身の幹部は、そのほとんどが生き残った。
ノンフィクション作家の保坂正康さんは、かつて旧日本軍の将校に取材しておる。
この幹部はこうのたまったという。
「陸軍士官学校の同期は、戦争でほとんど死んでいません。息子を入れるなら防衛大ですよ」と軍の幹部になれば、戦争で息子は死なずに済むとのたまったそうな。
イギリスでは、ノブレス・オブリージュという言葉の下、多くのエリートが国に殉じたけれど、ニッポンの旧軍のエリートは手を汚さずに生き残った。
我がニッポン国では、泣きをみるのも、死ぬのも、庶民ということらしい。
自衛隊の海外派遣を「やむを得ない」「ぜひすべきだ」とか申すお方は、イギリスのノブレス・オブリージュに習って、自分の可愛い息子を戦地に出すとか、自らが自衛隊に志願して戦地に赴くとかしてはどうかね。
エリートや金持ちがふんぞり返って、あれこれ指図し、庶民が死ぬのでは恥ずかしくないか?
イギリスでは特権階級こそが、先頭になって国に殉じるのです。
安保法を推進する国会議員やお金持ちやエリートの皆さんよ、どうしても自衛隊を海外に派遣したいなら、まずは自分の息子を差し出して「エリートが負うべき責務」を果たしてはどうかね。
自分自身や家族は「安全なところに身を置いて」、「自衛隊を海外に派遣すべし」などというのは、まことに薄汚い考えだと、この際は申しておきましょう。
ニッポンには、今も昔も、イギリスの誇り高き「ノブレス・オブリージュ」精神などまるでない。
気をつけないと、金持ちやエリートに、貧乏人の子どもばかりが殺されてしまいます!!