おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

自衛隊で「一般曹候補生」応募が激減

2016年03月30日 | Weblog

 

午前7時の気温はプラス6度。

曇り空でときおり強い風が吹いておる、春らしい朝でござる。

さて、

冒頭のグラフは去年10月毎日新聞電子版に掲載された「一般曹候補生の応募者」の推移だ。

これについては後述いたしまする。

29日の安保法成立により、条件次第で自衛隊は、地球のどこへでも出かけて「交戦」することが可能になった。

安倍総理はこの日の会見で、記者が「駆けつけ警護や、米艦防護などリスクが高い任務の実施が、多くは夏以降に先送りされている」のはなぜかと質して、以下のように答えておる。

「参議院選挙があるから、ないから、先送りするどうかという話では全くないわけでありまして、その批判は極めて私は的外れ、現場を知らない話ではないかと思います。正に今日から安全を確保するため、日本を守るために周到な準備、そのための訓練が始まるということであります」

これでは、自衛隊は「いかにも準備不足」と言っておるに等しい。

ところが去年5月14日の記者会見で、安倍総理は質問に答えて以下のように発言しておる。

「医療活動のために従事している日本のNGOの人たちがいて、その人たちに危険が迫って、自衛隊員の皆さんに救援に来てもらいたいと頼まれて、しっかりとした装備をしている自衛隊員の皆さんが救助に行けなくていいのでしょうか。そういう訓練をしている、まさに自衛隊員の皆さんは、日ごろから日本人の命、幸せな暮らしを守る、この任務のために苦しい訓練も積んでいるわけであります」

こんときは「現場はちゃんと訓練しておる」といい、きのうの記者会見では「これから訓練は始まる」と申しておる。

これを世間では「2枚舌」と申します。

世間で言われておるように、駆けつけ警護など、自衛隊員にとって危険な任務については「参院選後に先送り」するってことだと、誰もが思いますわ。

こういうやり口を、世間では「姑息」と申します。

あれだけ急いでいたのだから、なんですぐ運用しないのか???

駆けつけ警護で、自衛隊に犠牲者が出たら、参院選は負けちゃうもんねぇ、、、

その自衛隊では、中核を担う曹(下士官)を養成する、「一般曹候補生」の応募者が激減しておるそうな。

日刊ゲンダイが伝えておる。

防衛省によると「15年度は前年度比19.4%減の約2万5000人。応募者は初めて3万人の大台を割り込み、この5年間で半分に減少した」という。

軍事ジャーナリストの世良光弘さんによると、

「昔の軍隊で『軍曹』にあたる曹は7~8人の小部隊のリーダーとして教育を行い、幹部の補佐もする。自衛隊を円滑に運用していく上で欠かせない人材」だそうな。

現場で小部隊を指揮する、いわゆるplatoon(プラトーン)の小隊長ってことか?

おぢが子どもの頃にみたアメリカのTVドラマ「コンバット!」の主役、サンダース軍曹が自衛隊でいう「曹」でなのしょう。

ヴィック・モローさん演じるサンダース軍曹は小隊を率いて、戦場を駆け巡っておりましたわ。

無線連絡の「チェックメイト・キングツー こちらホワイトロック どうぞ!」は、子どもたちが戦争ごっこするときの定番のせりふでもございました。

そのドラマの主役サンダース軍曹にあたる、曹のなり手が減っておるんでは、自衛隊、どもこもならん。

前出の軍事ジャーナリストの世良さんによれば、

「(曹の役割について)これまでは戦闘状態になれば“退避”を命令すればよかったのですが、今後はとっさの状況判断で“反撃”を命じなければならない場面が出てきます。自分のミスジャッジによって部下が落命するかもしれないし、場合によっては小隊が全滅しかねない」。

たいした危険で、小隊全体の生死にかかわる重要な役目をしておるのが曹ってことだ。

日刊ゲンダイは「徴兵制の復活がどんどん現実味を帯びてくる」と記事を締めくくったけど、そりゃまぁちょいと気が早い。

ただし、何遍も書いてますけど、世間の多くが憲法違反と感じておる安保法が施行しちゃったいま、徴兵制のハードルはズンと低くなった。

徴兵制が違憲とされた根拠は「憲法18条」だ。

「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」と憲法18条にあるから、苦役とされる徴兵制はできないはずだった。

だけども、識者がこぞって「憲法違反」という安保法が施行されたわけで、「徴兵制は苦役じゃない」と解釈することはいとも簡単だ。

実際、当時の自民党幹事長の石破茂さんは2010年の国会でこう述べた。

「国を守るのは苦役ではないので、徴兵制は違憲ではない」。

そんなことですから、ときの内閣が閣議決定し、国会で決議するだけで「徴兵制が可能になる」ということ。

安保法は「アリの一穴」でござる。

以前も書きましたけど、「徴兵制などない」と思う方は、単に想像力が欠如しておるだけ、と何遍でも、何遍でも書いておきまする。