グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

トトロに会えそうな森

2011年01月21日 | 歴史・文化
 昨日は大寒でした。一年で最も寒いとされる頃です。日中もほとんど日が射さなかったので、すご~く寒く感じました。

 島の西岸にある野増(のまし)地区の大宮神社は、大島で最も古い神社とも言われます。波浮港にある波布比売命神社のハフの大后の子を奉っているらしいのですが、最も古いというのは何故なのでしょう?

 元は、この地区の南側、アジコという地名の残る場所に神社があったそうですが、噴火の降灰などのために現在の場所へ移したと聞いたことがあります。そのアジコには深い谷があり、神社の裏手では水が湧いていたそうです。この谷を下って海へ出た辺りに龍の口(たつのくち)という縄文時代の遺跡がありますから、ずっと昔から人が住んだ所だったのです。



 見出しの画像は大宮神社の社殿ですが、そこへ向かう参道の石垣の上に石造りの小さな祠:ほこら↑がありました。屋根には、うっすらコケが生えています。

 海岸からあまり距離がないにもかかわらず、神社を取り囲む森の木々の立派さには驚かされます。10年程前までは、参道沿いにクロマツの巨木が並んでいましたが、マツクイムシの被害で今は見られず残念です。



 こちら↑の祠には、表側に右から読んで「奉 納」の文字があります。側面には、お名前らしく「増木・・・」さんでしょうか? 不思議と大宮神社には、コンクリート製の祠が多いのです。



 こっち↑は、コンクリートの鳥居も付いています。

 野増地区は、全国的にも有名な長寿の里です。近海で取れる魚介や海草類を食べ、急な斜面の多い場所での生活が、足腰を丈夫にし心肺機能を高めたのではないでしょうか? 

 この地区には、集落のあちらこちらに祠があります。今日はご紹介できませんが、また時間を作って取材しておきます。

 ここでも以前は、先週紹介した「いぼっちゃ」が祠として奉られていたそうです。今では、郷土資料館に建っているような萱葺き屋根は、ほとんど見られませんが、昔は人も神様も同じカヤ(ススキ)の屋根の家に住んだということですね。神様と人がとても近い関係のように感じられます。



 この森には、幹周90センチ以上の樹木が100本を超えて群生しています。最も多いのがスダジイ(シイの木)で70本以上、次がイヌマキで20本、タブノキ10本と続きます。

 伊豆諸島の鎮守の森は、このスダジイ林が多く見られます。自然な状態での極相林は、谷筋や信仰的な場所の木々が残されていて

 この野増大宮のシイ樹叢は、東京都の天然記念物に指定されています。



 こちらは、しめ縄が張られたご神木の前の祠です。境内に幹周3メートルを超すスダジイが15本程。最大のものは6.5メートル程あります。

 何とも風格があります。



 この森にはトトロがいそうです。シイの実をいくつか見つけました。

  (なるせ)

   
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