グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

樹洞:じゅどう

2011年01月28日 | 植物
 いや~本当にスゴイですね!!!

 九州の霧島連山の噴煙が上がるシーンが、
テレビのニュースになっていました。
新燃岳(しんもえだけ)の噴煙だそうです。

 昨日の夕方から何度か爆発的噴火があったようです。
遠い場所で窓ガラスが揺れたりする空振現象も
起きているようです。
ニュースの画像でモウモウと上がる黒い噴煙から、
噴石がたくさん飛び出しているのが見えました。

 あの下では、大島の三原山火口の周辺のように、
スパター(溶岩餅)やスコリア(軽石)が
降り積もっているのでしょうね。

 今日は火口付近に数十メートルの
溶岩ドームが出来ているのも確認されたそうです。
小規模の火砕流も。

 生きている地球を感じますが、
周辺地域の皆さんに被害がこれ以上ありませんように・・・。


さて、今週は「ほこら」の話をひと休みして
「洞:ほら」について少し・・・


 見出しの写真は、フラッシュを使ってしまったので、もう一度。

 シロダモという木の幹に開いた小さな穴です。
穴の大きさは、短径3センチ、長径4.5センチ程でした。

 この木はクスノキ科ですが、クスノキの樹皮とは随分違いますね。
大島では、よく見られる樹木です。

 こんな具合に穴が開きやすいのかどうか・・・
今まで気づきませんでした。

(近くにあったヒメユズリハの幹も大きな空洞が出来ていました)



 角度を変えて穴を覗くと・・・こんなふうに向こう側が見えます。



 タネ明かしは、こちら↓



 幹の裏側にも、穴が開いているのでした。

 上の面の切り口から分かるように、幹の中は空洞です。

 冬には薪(まき)ストーブを使いますので、使った分の薪を新たに作って、
次の冬の薪を確保し、積んで乾燥させて置きます。

 晩秋から今頃の時季は、そんな作業に丁度良い季節です。
このところ、強い風も吹かず仕事がはかどります。

 割ってみると、この木は割りやすい木です。
特に空洞になった幹は、すぐに割れました。

 中には、ムカデの仲間やハリガネムシの仲間、
それからキセルガイの仲間なども棲んでいました。

 この木の直径は30センチ弱でした。穴の所で輪切りにしてみると、



 切り口は「こ」の字の形。
幹にはツル性の植物が這っていたこともあって、
こんなに幹の中が空っぽとは、切り倒すまで分かりませんでした。

 こんな穴を木の「うろ」と呼びますが、
樹洞(じゅどう)などとも言います。

 枝が折れた部分から腐って穴になったり、
鳥などの動物が穴を開けることもありますね。

 ずっと以前、神奈川県内の桑畑にあった古木に開いたウロを
覗くと、フクロウの雛が4羽いたことがありました。

 大島では、生息(棲息)が確認されていませんが、
本州には、樹洞に棲む樹洞棲コウモリ---
ヤマコウモリ、ヒナコウモリ、ウサギコウモリ
---などもいるそうです。



 空洞になった幹の輪切りを見ていたら、
割って薪にしてしまうのがもったいないような気もして・・・

・・・何か、オブジェになりそうな・・・



 こんなに色々な形の物がありまして・・・

 
 まだ他にも・・・

 


 幹の上の方では、今まさにトンネル工事、進行中の部分がありました。
幹の芯の部分が美味しいのでしょうか?!



 この↑部分には、幼虫が大小5匹も出てきました!

大きな幼虫は、4センチ~4.5センチ程です。



 カミキリムシの仲間の幼虫のようです。
しばらく調べましたが・・・



 種を特定するまでには至りませんでした。残念!

 
 どなたか、詳しい方がいらしたらご教示ください。


  (なるせ)



今夜のBGM♪
映画『ガンジー』のサントラ盤で、
ラビ・シャンカールのシタールを聞きたくなる時季です。
シタールとタブラの音が、
列車で旅して回るガンジーの姿と
インドの風景を思い出させてくれます。

コメント
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