浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「もっとも優秀な人材が集まるはずの朝日新聞の政治部の記者」?

2014-05-22 20:05:29 | メディア
 下記に掲げたアドレスは、もとNNNドキュメンタリー・ディレクター(日本テレビ)の水島氏の鋭い指摘。表題にしたのは、水島氏の文の一部だ。しかしボクはその指摘に「?」をつけた。というのも、記者会見に於ける政治部の記者の政治家に対する質問は、「えっ?」、「何でこんなこと質問するの?」、「それ以上追及しないのか!」などという感想をもつことが多いからだ。

 若い新聞記者のほとんどは、問題意識を持たないままに記者になった者が多い。ジャーナリズムの精神を持たない記者に、存在価値はない、とボクは思っている。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20140522-00035562/

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耐えられない騒音

2014-05-22 19:57:37 | 政治
 『沖縄タイムス』の社説。

 厚木基地の米軍機による騒音は、とにかく凄まじい。一度体験すれば、こういう訴訟を提起したくなるのがわかる。「属国」の日本人は、我慢を強いられるのだ。

社説[厚木基地騒音訴訟]米軍機こそ差し止めよ
2014年5月22日 05:30

 果たして、基地周辺の住民を苦しめている航空機の騒音被害が、これで解消される判決といえるのであろうか。

 米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県)の騒音被害をめぐり、周辺住民約7千人が国に夜間・早朝の飛行差し止めなどを求めた第4次厚木基地騒音訴訟で、横浜地裁の佐村浩之裁判長は、自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めを命じる全国で初めての判決を言い渡した。

 一方で米軍機への飛行差し止め請求は退けた。

 損害賠償も基地騒音訴訟では過去最高となる約70億円の支払いを命じた。

 判決は、住民の睡眠妨害などが「健康被害に直接結びつく相当深刻な被害」と認定するとともに、自衛隊が夜間・早朝の飛行を既に自主規制していることから自衛隊機の差し止めで「基地の公共性、公営上の必要性が大きく損なわれることはない」とした。

 原告団は判決に対し「100パーセントではないが一歩踏み出した判決」と喜びの声を上げた。一定の前進ではあろう。

 しかし、騒音の最大の原因である米軍機の飛行差し止めが認められなかったことで、実質的な騒音軽減策は置き去りにされた。

 判決でも触れているように「午後10時から午前6時までの時間帯の騒音は大半が米軍機によると認められる」としているからだ。

 つまり、自衛隊機の差し止めによっても、夜間・早朝の騒音は何ら変わらないということである。

    ■    ■

 厚木基地は、横須賀に配備されている原子力空母ジョージ・ワシントンの艦載機部隊と海上自衛隊の哨戒機などが駐留する。

 米軍機の夜間離着陸訓練(NLP)が実施されるなど、基地がある大和市、綾瀬市などのほか広範囲にわたって騒音被害を及ぼしている。

 自衛隊機に比べ、はるかに住民への負担が大きい米軍機について判決は「支配の及ばない第三者の行為の差し止めを国に求めるもので、棄却を免れない」と、いわゆる「第三者行為論」によって請求を退けた。

 原告団はもとより米軍基地が集中する沖縄にとっても、納得できるものではない。判決によって、あらためて司法が判断を避ける米軍の“不可侵”性が浮かび上がった。

    ■    ■

 県内では夜間・早朝の飛行差し止めなどを求め、嘉手納で第3次、普天間で第2次の訴訟が、周辺住民らが原告となって進められている。

 これまでの判決では過去の被害に対する損害賠償のみを認めている。肝心の米軍機の飛行差し止めなどは、「第三者行為論」によって退けられている。


 だがこれは、最高法規の憲法よりも、日米安保体制を上位に置く思考停止した論理である。人権のとりでである司法の役割を自ら放棄した判決と言わざるを得ない。

 自衛隊機によって健康被害が生じれば飛行を差し止め、米軍機に対しては差し止めないというのであれば、日本は米国の「属国」というほかない。
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吉田調書

2014-05-22 19:49:13 | 社会
 福島第一原発の事故の際、所長であった吉田氏の調書は、吉田氏が体験したこと、考えたことが、何も隠さずに話されていると感じる。

 重大事故が起きた時、責任者として、吉田氏はほんとうによくやってくれたと思う。もし吉田氏でなかったら、もっと大きな事故になっていたのではないか。

 そして今日、「朝日新聞」は、吉田調書の三回目を公表した。その表題は、
「誰も助けに来なかった」である。吉田氏の、重大な責任をひとりに負わせて、東電社員も、政府も、有効な支援をしなかった。吉田氏が「孤立無援」であったことを、痛切に振り返っている。

 http://digital.asahi.com/special/yoshida_report/1-3m.html

 「朝日新聞」の、今日のコメント。

最も大変な事態が進行しているときに、原発を操作できる唯一の組織である電力会社が収束作業態勢を著しく縮小し、作業にあたる義務のない者が自発的に重要な作業をし現場に来ることが定められていた役人が来なかった
 これが多くの震災関連死の人を出し、今もなお13万人以上に避難生活を強いている福島原発事故の収束作業の実相だ。

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戦争とはどういうものか

2014-05-22 09:54:00 | 読書
 戦争をしたいという政治家や官僚どもが騒いでいる。こうして騒ぐ奴は戦争には行かない。戦争で死んだり、傷つく者はいつも庶民だと相場が決まっている。自分が行かないから勝手な物言いができるのだ。

 しかし、そういう政治家どもの言動に影響される者たちもいる。おそらく戦場というものがどういう現場であるのかを想像できないのだろう。

 アメリカがベトナムを侵略して、ベトナムの人々を殺戮したことがあった。世界中のカメラマンや記者が戦場に入り、その現場で見たこと、考えたことを、写真付きで報道していた。そこには戦場の生々しい写真が掲載されていた。そういう写真が、アメリカ国内の反戦運動を高揚させた経験を踏まえ、戦争をしたい奴は、それ以後生々しい写真を撮らせないようにし、かつメディアもそういう写真や映像を見せなくなった。

 かくて、戦争の真の姿は、人々の前から消された。

 だが、ボクたちは、戦場とはどういうところかしっかりと想像することが肝要だ。

 ボクは、地域の歴史を書く時には、いつも元兵士から体験を聞いていた。ほんとうは、戦場での加害行為について聞きたいのだが、それについては話してくれなかった。ただ、皆さんが必ず言うことは、もう戦争はすべきではない、自分の子孫にはああいう場には立たせたくない、ということだった。それを語る元兵士の眼は、過ぎ去った否定すべき過去を思い出すように、遠くを見つめるようであった。

 戦場の壮絶さを思い描く時、ボクがいつも思い出すのは、渡辺清『戦艦武蔵の最期』(朝日新聞社選書)である。もう絶版になっているかもしれないが、戦艦武蔵が断末魔を迎えている時、甲板でどういうことが起きていたのか、それがきわめて具体的に書かれていたことを思い出す。米軍機の爆弾や機銃掃射で傷ついた兵士の姿、とくに砲弾の破片が四方八方に、まさに凶器となって飛散し、それが兵士の体を裂くという描写、あるいは直撃されると兵士の体は肉片となって散らばる・・・・凄絶そのものの戦闘場面が描かれていた。

 その一部は下記で読むことができる。

http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/nonfc/pdf/WatanabeKiyosi.pdf

 もちろんボクは、戦場には立ちたくないし、いかなる人にも戦場には行ってもらいたくはない。いかに戦争をしないようにするか、いかに平和を維持していくのかを、とことん追求すること、これこそ政治がすべきことである。

 想像力が欠如し、あたかもCGで戦争ゲームに興じるかのように、戦争にあこがれている奴ら、彼らの趣味につきあわされないように、しっかと眼を見開いて、この危機的な状況に対処していきたいと思う。
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夕顔

2014-05-22 09:14:57 | 社会


 これが夕顔の花である。これが夏から晩秋にかけて咲く。

 夕方から朝にかけて、静かにそっと咲き続ける。だがひと晩咲くと花は落ちてしまう。ひと晩限りのはかない花だ。しかし、闇の中、月の光に映えて、それはそれは美しい。

 『源氏物語』にも「夕顔」の巻がある。

「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」・・げにいと小家がちに、むつかしげなるわたりの、このもかのも、あやしくうちよろぼひて、むねむねしからぬ軒のつまなどに這ひまつはれたるを、「口惜しの花の契りや。一房折りて参れ」とのたまへば、この押し上げたる門に入りて折る。

 心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花

 寄りてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔


 さて寒風が吹くようになると、花のあとに実ができる。その実の中には種がある。
 これがその種だ。


 種は保管しておいて、5月頃に蒔く。その際、殻が厚いので傷をつけることが必要だ。ただしそうしてあげてもすべてから芽が出るとは限らない。

 しばらくすると、こういう苗となる。ダンゴムシがこの葉を食べるので、ダンゴムシ駆除の薬剤を周辺に散布しておくとよい。

 

 あとは、蔓が伸びて花が咲くようになる。

 昼間の喧噪が消えた闇の中、白く浮かび上がる夕顔は素晴らしい。その魅力にとりつかれた者だけが、毎年毎年、こうして花を咲かせる。
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事実は事実

2014-05-21 17:38:54 | 近現代史
 これは『沖縄タイムス』の記事。いくら否定しようとも、こういうように史料は語る。

旧軍文書に「慰安所」宮古島での存在裏付け

【東京】沖縄戦時、宮古島に慰安所があり、日本軍兵士が通っていたことを裏付ける旧日本軍の文書が見つかった。これまで宮古島の慰安所の存在については住民の証言はあったが、軍の文書で裏付けられるのは初めて。関東学院大の林博史教授と佐治暁人講師が厚生労働省から情報公開請求で入手した。飢えで苦しむ宮古島で、兵士が軍の食料を住民に売って慰安所へ通った実態が記されており、林教授は「住民を守らない軍の姿が鮮明に表れている」と指摘する。(大野亨恭)

 資料は厚労省所蔵の、1945年11月20日付の軍法会議判決を記した書類で、提出した第28師団司令部と受け取った法務局の印が押された公文書。

 文書には、当時宮古島に駐留していた第28師団の衛生上等兵が軍の食料などを横流しして住民に売却、得た金を使い慰安所で「遊興浪費」したとして、懲役1年の刑に処したことと、その判決理由が記されている。

 それによると、被告人の衛生兵は宮古島陸軍病院で炊事勤務に従事。45年8月中旬には軍から馬肉約40キロを預かって病院へ戻る途中、民家で2斤(約1・2キロ)を20円で売却し、慰安所へ行った-などと複数回の犯行が記されている。

 旧日本軍が中国などアジア各地に設置した慰安所は終戦後、閉鎖されたとされているが、発見された文書には〈10月2日に(砂糖菓子の)金花糖60キロを受け取り、翌3日にうち2キロを20円で売却し、慰安所で遊興した〉とあり、宮古島では10月上旬まで慰安所が残っていたことも分かった。林教授によると戦後も慰安所が継続していたことを示す文書が見つかったのは初めてだという。

 宮古島には沖縄戦当時、陸海軍合わせて約3万人が駐留していた。住民は戦中から戦後にかけ、ソテツを食べて一家が中毒死するなど飢えに苦しんだが、軍は終戦後も食料を住民に渡さず、一部の兵士は売り渡して慰安所に通っていた。林教授は「この資料には軍隊が住民を守らないことが明確に記されている。日本軍の特徴そのものだ」と指摘する。

 沖縄戦時、宮古島には少なくとも17カ所の慰安所があり、ほとんどが朝鮮半島から連れてこられた女性だったことが、研究者らの調査で分かっている。
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【本】木村真三『「放射能汚染地図」の今』(講談社)

2014-05-21 14:16:55 | 読書
木村真三さんは、NHKEテレの「放射能汚染地図」に関係した人だ。今も福島県に住み、放射能汚染の状況をみずから率先して調査している。

 学者として何ができるのかという視点から、地域住民や自治体(二本松市)と協力して、汚染された福島で生きる人たちがどう放射能と折り合いながらいきていくのかを模索している。

 福島の原発事故に伴う放射能汚染については、様々な情報が流されている。とくに政府や福島県は、あたかも何ごともなかったかのような根拠ない「安全神話」を振りまいている。もっとも許せないのは、子どもの甲状腺癌の出現について、「原発事故とは因果関係がない」と言い続けていることだ。「あるかないかは科学的にはいまだ断定できない」というのが現時点で言えることなのだろうが、ひたすら否定を繰り返している。

 現実に「安全」ではまったくない。しかしそこで生きていかざるを得ない人々がいる。第五章は「放射能と暮らす時代を生き抜くために」である。福島県だけではない、実は日本全国の住民は多かれ少なかれそういう状況に生きていかざるを得ないのである。どう生きていくか、木村さんは必死だ。

 政府や県、電力会社は、まったくあてにならないからこそ、住民自らが身近な自治体と共に、学び、調査し、考え、行動し、とにかく前向きに取り組んでいくこと、そのために奔走する。

 木村さんは、住民や自治体のそうした動きを支え、指導し、現状をきちんと見つめながら、地に足が着いた取り組みを展開している。

 この本は、今年2月に出た本だ。良心的な科学者による、良心的な内容が書かれている。福島の現状と、そこに住む人々の努力、自治体の取り組みがわかる。

 ボクは図書館で借りたのだが、読むべき本である。

 木村さんが関わる二本松市の動きは、下記でみることができる。

http://www.city.nihonmatsu.lg.jp/site/higashinihondaishinsai-kanren/20121204-2.html 
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2014-05-21 11:28:42 | 日記
 昨夜は雨が降るという予報であった。

 一昨日までに、サツマイモの苗を植えるために、畑の畝を3通りつくった。
 昨日、黒いマルチ(プラスチック製農業用被覆材)で畝を覆い、苗を植えるべく穴を開けた。さすがに疲労して、昨夜ははやく就寝。

 サツマイモは、雨が降る前、雨のあとに植えるのがよいという。昨夜、予報通りに雨が降った。今朝は曇り、計画通りに、畑に行って苗を植えた。約60本。植え終わったあと、急に雨が降り出した。まったく好都合の雨。

 今年のサツマイモはよくできることだろう。

 今畑には、小松菜、タマネギ、スイカ、レタス、ジャガイモ(男爵、キタアカリ、メイクイーン)、イチゴ、トウモロコシ、トマト、ニンニク、ズッキーニ、大根、ニンジン、里芋、ピーマン、キュウリ、メロン、冬瓜、カボチャ、ゴーヤが植わっている。

 ジャガイモやタマネギがもうじき収穫となる。

 畑は、ほとんど毎日行く必要がある。毎日1時間程度体を動かす。以前も書いたが、農作業をしている時は、無心の状態、何も考えずに、ひたすら作業をする。ときどき、鳥が来て、ボクの作業を見学していく。

 大地に働きかける労働は、万人がやる必要があると思う。幼い頃にやっていたから、もう絶対にやらないと豪語する人もいる。

 今、庭にはバラの花が咲き誇っている。夕顔の芽がやっと顔を出した。夕顔は、ひそやかで清楚、慎み深い、夜、月の光をうけて白く静かに咲き続ける。

 ボクの好きな花は、バラと夕顔。

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福島第一原発事故 「朝日」がスクープ

2014-05-20 20:07:42 | 政治
 ネットで下記のニュースを知り、今日は『朝日新聞』を購入した。

福島第一の原発所員、命令違反し撤退 吉田調書で判明

木村英昭 宮崎知己 2014年5月20日03時00分

 東京電力福島第一原発所長で事故対応の責任者だった吉田昌郎(まさお)氏(2013年死去)が、政府事故調査・検証委員会の調べに答えた「聴取結果書」(吉田調書)を朝日新聞は入手した。それによると、東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた。その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきた。


 東電社員が逃げたい気持ちも分かるが、しかし無責任きわまりないということでもある。それをずっと東電も、政府も隠し続けてきたということ、このほうが重大だと思う。

 これに関して、菅官房長官は、

故吉田所長の証言資料、開示せず=菅官房長官

 菅義偉官房長官は20日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発の事故発生時に所長だった吉田昌郎氏(故人)が、政府事故調査・検証委員会の調べに応じた証言資料を入手したとの朝日新聞の報道について、「ヒアリングは非公開を前提に任意の協力を得て行われた」として開示しない方針を示した。「政府が保管しているものと内容が一致しているか申し上げることはできない」と真偽の確認も避けた。(2014/05/20-11:18)


 「吉田調書」が明らかになっても、政府はそれでも公表せず、隠し続けるという。

 事故に関する情報は、このように政府や東電にとって都合の悪いことは隠し続ける。これが日本の姿である。

 「特定秘密保護法」が、もっとこのような隠蔽体質を強化していくことだろう。

 これが、今の日本だ!
 
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「正しい戦争」のためには、証拠は消さねばならない

2014-05-20 11:28:19 | 社会
 安倍政権は、一九四五年に終わった戦争は「正しい戦争」であったことを、様々な方法で周知徹底していくだろう。もちろん、教科書には、負の歴史は欠かせない。博物館なども、あの戦争を「正しい戦争」とするためには、展示物を入れ替えなければならない。それは大阪の橋下・維新の会府政・市政のもとで行われている。真実は消されなければならないのだ。

 今後、あの戦争は「正しい戦争」であったことにするために、安倍政権は様々なやり方を試みるだろう。

 その一つ。京都大学医学部も、その一翼を積極的に担おうとしているようだ。いくら隠しても、証拠はいっぱいある731部隊。細菌兵器の製造・使用、人体実験など、決して消せない事実。しかし多くの人に知らせないように隠すことはできると思っているようだ。

 京都新聞の記事。


「731部隊」展示撤去 京大医学部資料館

「731部隊」を説明するパネルが展示されていた完成当初の京都大医学部資料館(2月11日、京都市左京区)
「731部隊」を説明するパネルが展示されていた完成当初の京都大医学部資料館(2月11日、京都市左京区)

 2月に完成した京都大の医学部資料館(京都市左京区)で、戦時中に同大学の医師が関与して細菌兵器を開発していた旧日本軍731部隊を説明する展示パネルが、すぐに撤去されていたことが、19日分かった。

 資料館は「通常の展示替え」としているが、他に展示が変更されたのは所有者から使用要請があった医療器具などわずかで、「負の歴史と向き合う展示と評価していたのに、撤去には驚いた」と疑問の声が出ている。

 同資料館は、旧解剖学講堂を改修した基礎医学記念講堂内に併設。野口英世の博士論文など、医学部ゆかりの資料約50点が並ぶ。予約制で見学者を受け入れている。

 731部隊の展示は2008年刊の「京都大医学部病理学教室百年史」から引用したパネル2枚。部隊長の石井四郎ら医学部出身者の関わりを、文献を示して解説。731部隊の「発祥の主たる舞台となった京都大学医学部としても検証が必要なのでは」と指摘していた。同資料館の管理担当者によると、完成記念式典の後ほどなく撤去したという。

 当初は「表現が不適切との声があったため」と説明していたが、後に「個人的な感想を述べただけ」と改め、「見やすいよう全体的な展示内容を考慮して入れ替えた」と話している。

 パネルを再展示するかは未定という。

 医師の戦争責任について訴えてきた京都府保険医協会の垣田さち子理事長(66)は、「あまりに撤去が早すぎ、隠蔽(いんぺい)を疑う。戦争中の行為を知らないままでは済まされず、学ぶ機会が失われ残念」としている。

 ■731部隊 旧関東軍防疫給水部の通称。部隊長は石井四郎で「石井部隊」とも称される。1936年に発足、中国東北部のハルビン郊外に本部を置き、極秘に細菌戦を研究した。「マルタ」と呼ばれる中国人らの捕虜で人体実験を行い、ノミを使ったペスト菌散布など細菌兵器の開発などを進めたとされる。


 こういう時代へと、どんどん進んでいく。いいのかな?
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日本の社会の変貌

2014-05-19 22:38:31 | 社会
 表現の自由、集会の自由が、次々と否定されていく。

 怖い時代へと、日本は入っていく・・・?

 『美味しんぼ』が休載だって。鼻血を漫画にかいたら、続きは載せないだって。福島県や首相が一声かけると、連載はストップする。

http://tanakaryusaku.jp/2014/05/0009367

 そして、政府の政策や意見に反することを聴いたり、議論したりする集会を開こうとすると、会場が借りられない。

 次は「朝日新聞」の記事。


陸自パレード反対集会、金沢市が会場使用拒否

2014年5月19日12時42分

 金沢市中心部で24日に予定されている陸上自衛隊金沢駐屯地のパレードに反対する集会を市役所敷地内の広場で開こうとした市民団体に対し、市が使用を拒否していたことがわかった。市は拒否の理由を「示威行為にあたる」としており、市民団体側は反発している。集会は19日夕、会場を近くの公園に移して開いた。

 集会は社民党を支持する労働組合を中心につくる石川県平和運動センターなどが主催。広場を集会会場として申請したが、「市庁舎管理規則の禁止事項の示威行為にあたる」として不許可の通知を受けた。

 市民団体側は「今月3日に別の団体が開いた憲法集会では使えたのに、なぜ今回はだめなのか納得できない」と主張。市総務課の担当者は朝日新聞の取材に「管理規則にのっとって判断した」としている。

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先週の「報道特集」

2014-05-19 22:26:41 | 政治
 ボクがみる数少ないテレビ番組の一つ、土曜日の夕方の「報道特集」。しかしいつもみられるわけではない。先週土曜日の内容を紹介するブログがある。

 読んで、見て欲しい。

http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3721.html
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歴史認識

2014-05-19 07:33:43 | 政治
 1945年に終わった戦争を、「正しい戦争」であったと、支配層はずっと考え続けてきたのではないか。その「正しい戦争」は、アメリカによってつぶされた。だからアメリカやイギリスには敗れたという認識はもつ。

 あの戦争は「正しい戦争」であったのだから、それを遂行した政治権力(近代天皇制国家)も正当なものであった。なんと言っても、明治維新以降日本を「一等国」、「アジアの盟主」にしてきた権力である。否定する必要はない。しかし敗戦により、天皇は「象徴」とされ、大日本帝国憲法は消え、日本国憲法が制定された。そして近代天皇制権力が獲得してきた領土も大きく削られてしまった。そして「正しい戦争」であったにもかかわらず、権力の中枢にいた少数の人々が、東京裁判により戦争犯罪人として処刑されてしまった。彼らは「正しい戦争」を遂行したのだから、非難される筋合いではない。「正しい戦争」の担い手であった兵士にも、サンフランシスコ講和条約が発効したあと、遺族年金や軍人恩給として手厚い補償が行われるようになった。

 敗戦やその後の「戦後改革」は、支配層にとっては、大きな「屈辱」であった。その「屈辱」をどう晴らして、「正しい戦争」を遂行した国家体制をもう一度「復興」させたい、支配層はそう思っているのではないか。

 その方向性を持ちながら、一方では現実と妥協しながら少しずつ「復興」をめざすグループと、そうではなく早期の「復興」をめざすグループとがあった。

 岸信介やその孫である安倍晋三につながるメンバーは後者だ。

 5月15日の安倍首相の記者会見をあとで見たが、情緒的な内容とともに、安倍の高揚感が見て取れた。そうしたグループのリーダーとして、それを明確にめざした岸信介の遺志を今自らが実現しようとしているのだという、そういう気持ちが表れていた。

 戦前の国家体制そのままには「復興」できないが、「正しい戦争」を遂行した政治権力の復権を果たす、という支配層の長年の希望が少しずつ実現していくことに、安倍は酔っているようであった。

 だからこそ今ボクたちがしなければならないのは、もう一度あの戦争をきちんと振り返ることでなければならないし、それを遂行した政治権力(近代天皇制国家)の本質を批判的に明らかにすることではないのか。

 もちろん戦後の歴史学はそうした研究を蓄積してきた。だが、反知性主義のひろまりとともに、そうした学問研究の力を削ぎおとしてきている。だからこそ、人々が、今一度真実の歴史をきちんと認識できるようにしていくことが求められているのだ。

 近現代史の研究は、いよいよ重要性を持ち始めている。


 
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松井英介医師の手紙

2014-05-18 09:19:21 | 社会
 「美味しんぼ」で福島の被曝について語った、松井英介医師の手紙が、下記サイトにあるので紹介する。

 http://tkajimura.blogspot.jp/
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「表現の自由」の現状

2014-05-18 08:17:55 | メディア
 問題が生じるようなことを公表する場合、関係する国家機関に事前に知らせるようなのだ。

 今回の「美味しんぼ」の問題は、小学館がそうした行為をしたことにより引き起こしたということが言えそうだ。下記に「朝日新聞」の記事を掲載させていただくが、これが日本に於ける「表現の自由」の現状だ。

 平和主義が危機となるのと歩調を合わせて、人権も後退を始めている。


美味しんぼ、発売11日前に環境省へゲラ送る 編集部

2014年5月18日07時07分

 週刊ビッグコミックスピリッツ編集部が「鼻血や疲労感はひばくしたから」という登場人物の発言がある12日発売号の「美味しんぼ」のゲラ(校正刷り)を、発売11日前に環境省にメールで送っていたことが同省への取材で分かった。

 環境省によると、1日に編集部から「被曝が原因で鼻血が出ることがあるか」といった内容の質問が電話とメールであった。その際、12日発売号の全ページが添付されたメールも担当者に送られてきた。

 同省は「こちらは求めていない。具体的な内容の訂正要求もしていない」としている。質問の回答期限は7日に設定されており、7日深夜にメールで回答したという。

 環境省は「他省庁にも関係する部分がある」として、復興庁や内閣府などに12日発売号の内容や編集部の質問内容を伝えた。だが、ゲラそのものについては「未発表の内容で慎重に扱う必要がある」として転送しなかったとしている。

 また、12日発売号には「大阪府と大阪市が受け入れた東日本大震災のがれき処理で焼却場周辺住民が健康被害を訴えている」という内容もあり、環境省は2日に府と市に伝えた。府市は8日、編集部に内容を見せるよう要求。9日に訂正と削除を申し入れたが、編集部に「発売直前で応じられない」と断られ、発売日の12日に抗議した。

 小学館広報室は「関係者の声を集めた『特集』を組むために関係各所に送った。環境省もそのうちの一つ。12日発売号が出た段階で送ったら、19日発売号の編集作業に間に合わない。工程上、必要なことで、19日発売の最新号は送っていない。環境省はHP対応になっただけで、その旨も誌面に載せている。検閲ということではない」としている。

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