催眠を希望される方の中には、催眠に入り
「あなたは~となる。」「あなたは~出来る。」
のように暗示を入れてもらえさえすれば
今の自分の問題が解決すると
考えている方が少なくありません。
このような想いは、
心の問題を何とかしようと
それまで耐え忍び、自分に言い聞かせ、
長い間、自分なりに取り組んできたけれども、
どうにもならないでいる。
友達にも相談した。カウンセリングも受けた。
占い、霊能者にも相談した。
催眠療法は最後の頼みの綱で、
催眠にさえ入れば自分の問題が解決すると
信じ込みたいのかもしれません。
催眠にかける想いが強くなりすぎると、
催眠に入ろうと努力しすぎて(過剰協力)、
その想いとは逆に、
催眠体験を難しくすることがあります。
催眠状態に没入すると、
強力な心のパワーを被験者にもたらすので
私のカウンセリング・ルームでは
クライアントに催眠誘導を受けることを
お勧めしています。
なのですが、催眠は、
荒れ地をクワで耕していたところに、
耕運機を手に入れるようなものではありますが、
雑草が生え、木の根、雑木が立ち並び、
石や岩がゴロゴロしていては、
耕運機の能力を発揮させることが
出来ないのと同じで、
被験者の問題を維持させ続けている何かを
全く扱わないままに、
催眠暗示1本勝負で「あなたは~出来ます。」は、
石や岩がゴロゴロしているままに
耕運機を乗り入れてパワーに任せて
ゴリゴリとやるようなものとなります。
催眠を効果的に活用するためには、
カウンセリング等で、心の整地をある程度進めてから
心理療法でのアプローチ、あるいは催眠によるアプローチ、
そして、催眠状態下で心理療法を行うのが基本です。
催眠は優れた道具の一つではあるのですが、
心の問題を解決するために
必ずしも必要なものという訳ではなく、
カウンセリング、心理療法で
十分に解決を図ることが出来ます。
そのことを知っておくと、
被験者は、フラットな気持ちで
催眠誘導を受けることが出来るので、
催眠体験をしやすくなるように思います。