2003年 アメリカのテキサス州の銀行を
91歳の男が襲って逮捕されました。
男は、禁固12年7か月の判決を受けたのですが、
この男が初めて銀行強盗を行ったのは86歳の時で
今回が3度目の逮捕。
この男は、テキサス州の田舎の農場で育った
ハンターレントリーという男で
事業を起こしある程度の成功をしていましたが
銀行に融資を引き揚げられたことで倒産します。
その後、妻を肺癌で失い、
家族、会社、財産の全てを亡くした彼は、
バーで出会った女性と結婚するも
酒と薬におぼれ1年で離婚。
全てを失いヤケクソになったのか、
護るべきものが無くなったのか、
自分を破産に追い込んだ銀行への復讐から
銀行強盗を行い逮捕され
高齢のため執行猶予付きの温情判決を受けます。
が、2度目の銀行強盗で逮捕され
今度もまたまた温情判決の3年の懲役刑。
そして、懲役12年7か月の判決を受けた
3度目の銀行強盗を行います。
野球帽にTシャツ姿で銀行の窓口に
『強盗』と書いた封筒を渡して
お金を入れるように要求するだけのもので
もうこれ強盗と言うより、
お願いと言うのか、お金を無心すると言うのか、
嫌がらせの域ですね。
封筒に『強盗』と書かずに
『浄財』とか『寄付』とか『お金ちょうだい』と
書いていたら罪の重さに違いがあったかもね。
全てを失った人の強さと言うのか
怖さと言うのか、
まるで捕まることを望んでいたかのようにも
思える銀行強盗のやり方。
3回目の逮捕後にしばらくして体調を崩し
1年後の92歳の時に
囚人専用の医療センターで生涯を終えました。
家族も無く、資産も無く、身体は老いて
昔話も日常にあった話をする相手もおらず、
生きる目的さえ見当たらない毎日は、
地獄の日々だったのかも知れません。
この悲しい男性の銀行強盗は、
恨みを晴らすのが名分でしかなく
地獄で溺れる自分を水面から顔を出そうと
藻掻いていたのかもね。