9月15日にアイルランドの首都ダブリンにある病院で
食欲不振と腹痛を訴える66歳の女性の体内から
55個の円筒形の電池が発見されたとのことです。
大学病院に到着した患者のレントゲン検査で
体内に大量の異物(電池)があることが判明し、
電池が自然と排出されるのを待ってみましたが
1週間で5個の単三電池が排出されたものの
それ以外の殆どの電池が体内に留まったまま動かず
患者の食欲不振と腹痛が酷くなったことから
開腹手術を行うことになりました。
開腹手術によって
胃から46個の電池を取り出すことに成功し、
腸に残る4本の電池を肛門から取り出し、
その総数が何と55個にも上りました。
このことについて記事には、自傷行為とされていましたが
自傷行為の中の異食症(パイカ)と考えて良いかと思われます。
異食症(パイカ)については
以前に数回ご紹介させて頂いていますが
今回の患者は、深刻なダメージに至ることなく
回復に向かっているとのことです。
異食症の場合、異物を摘出するだけでは
根本原因を取り除くようなことが出来ていないので
退院をした後に再び異食行為を繰り返す可能性があります。
異食症に対する特別な治療法については、
ほとんど分かってはいないようですが
心で抱える悩みが大きくなると悩み苦しむだけではなくて
身体症状(頭痛、肩こり、嘔吐、食欲不振、眩暈等々)や
通常ではない行動(異食症、強迫行動、摂食障害、依存症等々)に
に繋がることは珍しい事ではありません。
それだけの過激な行動を引き起こすには
それに見合うだけの心に大きな負の感情を
抱えていると考えるのが普通で
それらと向き合うことを避けるために
別の大きな問題へとすり替えている状態です。
例えば、右膝の痛みを消すために
右膝の痛みよりも大きな痛みを左膝に与えたり、
大きな快楽をもって痛みを感じにくくするようなものです。
別の痛みや快楽や苦しみで
根本の痛みを誤魔化すためには
根本の痛みを凌駕するだけのものが必要となるので
精神や心の負担が増大することになります。
故に今回のような早急な処置が求められるような場合には
外科処置で体内の異物を取り除くことも大切ですが
次にその行動へと結びついた心の問題を解消しなければ
同じ行動や別の通常ではない行動を起こす可能性が十分にあります。
通常ではない問題行動を解決することを望んで
施療に訪れる人の中には、
心の問題に触れられることを嫌ってか、
問題行動のみを直接扱ってもらうことを望まれる方もいます。
東京の施療経験の中で仲山氏が受け持っていた
催眠に十分に没入することが出来る一人のクライアントが
症状の丁寧な説明を受けても尚
症状を消して欲しいとの強い要望があったので
催眠で症状を消すアプローチをした所、
症状が消えた途端に
身動きが取れない程に全身が激しく引きつり
硬直をしてしまいました。
安易に症状のみを消して全身が硬直したままで
日々を過ごすことを選ぶことも出来るし、
しばらくは大変だとは思うけれども
必要な時間をかけて根本の原因を解決することを
選ぶことが出来ますが、どっちを選びますか?
としたことでそのクライアントは、
根本原因にしっかりと向き合うことになったことがあります。
仮に問題行動のみを直接扱って
幸運にも一定の成果を得られることもあるにはありますが
ヤカンの下で轟々と燃える火を消さずに
湧き上がる蒸気を逃す方法が発見できればまだ良い方ですが
無理に蓋を抑え続けると………結果は明らかです。