心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

楽を覚えたテッポウウオ

2024年06月03日 | 雑感・愚見

 

2002年 

イギリスのポースマスの水族館で飼育されているテッポウウオが

飼育員から餌を与え続けられたためか餌の捕獲をしなくなりました。

その状態を憂慮した水族館は、

テッポウウオに餌のハエを撃ち落とさせる訓練を始めました。

 

 

テッポウウオは、水面上の葉っぱに止まっている昆虫等を

口から射出した水で撃ち落として捕食します。

 

このようなユニークな仕組みは、

舌をチューブのようにして口の中に水を貯めて

エラ蓋を閉じて貯めた水の圧力をかけてから

舌先の弁を開けて水を射出していて

この射出する水は、なんと2mから3m先まで届き

最大7連射することが出来るのだそうです。

 

あの小さい身体での2mから3mの射出距離は凄くて、

私達人間が口に含んだ水をすぼめた口先から

思いっ切り飛ばしても到底及ばず、

子供の頃、御風呂の浴槽で遊んだ両手を合わせて作る水鉄砲で

両手の握力を思いっ切り使ってやれば、ようやく互角かな。

 

そして、水面の外から水中を見ると垂直以外の角度では

光の屈折が起きて実際の位置からズレて見えることを

私達は良く知っています。

 

それは当然、水中から水面の外を見ても

同じ様に光の屈折によって実際の位置からズレて見えるのですが

そのズレを補正して見事に餌に命中させるのがまた凄い。

 

これは光の屈折を計算していると言う人もいますが

私なんかは、あんな小さい魚の脳が

屈折率を計算なんて出来るはずがないと思っているので

何度も水鉄砲を放つ度に感覚的に身に付けたと思っています。

 

アオサギ等の鳥達も水中に発見した魚等の獲物を

光の屈折など物ともせずにクチバシをザシュと水の中に打ち込み

一撃で仕留めているので生物たちの能力は凄い。

 

光の屈折などの仕組みなんてものを理解しているはずもないので

そのズレを混乱せずにどう納得しているのか不思議ですが

まあ考える力は高くないはずなので、

その違いを只そういうもんかなと受け入れているだけかもね。

 

また必ずしも水を射出して射止めた生物だけを捕食するのではなく

水面上のアメンボや誤って水面に落下した生物等も捕食しますが、

自分が水を射出しなくても水面に餌を発見すれば

ひと手間が省けたとして捕食するのは当然と言えば当然かと。

 

進化論で言うと想いが長年引き続かれる中で

DNAに影響を与えて身体の構造が変化していくらしいですし、

突然変異論からすると環境に適した固体が生き残ったとなるのですが

 

テッポウウオの水を射出する身体の構造は、

気の遠くなるような時間をかけて手に入れたものですが

獲物を撃ち落とす技は、本能と言うよりも

他のテッポウウオを見て学び会得するようなので

一番最初にこの技を会得した個体は、

何を見て学んで技を会得したのだろうか。

 

でもまあ大昔の最初の頃は、ちょろちょろと水を射出する位で

餌を捕食するまでの能力には至っておらず、

遊びのような感じだったのが伝承され繰り返していく内に

身体構造も射出能力も進化してきて現在に至る感じでしょうか。

 

現在のテッポウウオの2mから3mの射程距離は

もしかしたらまだまだ進化の途中で

これから千年経過したテッポウウオの射程距離は、

現在の2,3mから10m位になっていたりしてね。

 

 

さてですが、イギリスの水族館のテッポウウオの件は、

人間の飼育下で餌を与えられ続けたら

水を射出して餌を落とす必要がなくなるので

餌を待つようになるのも当然のことなのかも知れません。

 

厳しい自然環境の中で生きるための術として

苦労して身に付けた技と身体構造が

人間の飼育環境の中では不必要なものとなるので

 

何世代にも渡り人間の飼育下で餌を与えられ続けたら

テッポウウオの技が伝承されることがなくなり、

身体構造も退化してしまうかも知れません。

 

身体構造を有して技を見て学び会得して

何度も繰り返すうちに水流の勢いも命中精度も上がっていく

他から安易に与えられ続けたら楽を覚えて

その能力が伸びるどころか減衰していくって

まるで人間と同じようで面白い。

 

 

 

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリングルーム花時計


投票ボタン

blogram投票ボタン