九條邸跡『拾翠亭』
拾翠亭(しゅうすいてい)は、
五摂家の一つ九條家の茶会のための離れとして
江戸後期に建てられたもので、
現存する公家屋敷の茶室として数少ない建造物です。
玄関門中の庭園
九條邸の屋敷は残っていませんが、
九條池と邸内社の『厳島神社』、
貴族や公家、文化人の社交の場として利用され
茶会や歌会などに使用されていた
離れの『拾翠亭』が残されています。
『拾翠亭』玄関
拾翠亭の拾翠とは、緑の草花を拾い集めるの意味と
九條池に多く飛来していたカワセミの意味を持つ
『翠』を名称に入れたとのことです。
控えの間
この部屋は七畳半の広さがあり
左の広間での茶会の際には、控えの間として使用され、
また左の襖を外すと広間と一体となります。
茶室の広間
1階の主室の10畳の広間は、
寝殿造の様式を残した書院造。
池に面した建物の外回りには、
広縁と縁高欄と言われる手すりが施されいます。
受付の人が言うには、
屋形船から苑池の景観を眺めるイメージで
造られているとのことです。
九條池と高倉橋
縁高欄越しに見る苑地と高倉橋の素晴らしい景観。
ただ4月から始まるはずの改修工事が
もう始まっている?
拾翠亭の苑池も閑院宮邸跡の苑池と同じように
水が抜かれていたんですよね。
石橋の高倉橋は、
九條邸跡の敷地を跨ぐように渡されているので
拾翠亭敷地内に入らなくても
高倉橋からの素敵な景観を楽しむことが出来ます。
広間『床の間』
手水鉢
小間(茶室)
水屋の小窓
階段
二階へと続くこの階段が
お城の天守の階段のような急勾配なので
昇り降りの際は、十分に気を付ける必要があります。
二階座敷
習翠亭 二階座敷 景観
時折、高倉橋の上から
拾翠亭を眺めている人の姿がちらほらと。
床の間
九條池
拾翠亭を出て九條池の近くに行ってみます。
ただ今日の池には、水が殆ど無いんですよね。
拾翠亭
日光椿
『日光椿』(じっこうつばき)は、
朱色の花びらが同色の花芯を包み込むように咲きます。
花芯が白い花びら状になるのが『月光椿』(がっこうつばき)。
建仁寺垣
京都御苑の中にある素敵な所なので
多くの人に良く知られた人気の場所だと
勝手に思っていたのですが、
地元の人と思われる数人に尋ねても
拾翠亭の入り口を知らなかったり
この時間帯の参観者が私一人だったりしたので
もしかすると京都御苑の穴場なのかも。
名所巡りばかりが続くのもあれなので
また一日、世界の人間模様を紹介させて頂きます。