心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

高台寺 塔頭『圓徳院』

2024年04月22日 | 名所めぐり(京都)

 

高台院(ねね)は、秀吉の菩提を弔う寺院の建立を発願し

それを徳川家康も支援したことで高台寺が建立されました。

 

高台院は、高台寺の西側に自らの屋敷(高台院屋敷)

甥の木下利房の屋敷を造営し、

伏見城にあった北政所化粧御殿とその前庭を移築します。

 

高台院は、高台院屋敷から高台寺に日参して

秀吉公の菩提を弔い、秀吉公を偲んでいたそうです。

 

1624年9月6日に高台院は、

19年間過ごした高台院屋敷でその生涯を終え、

1632年高台院屋敷は、木下利房によって

高台寺の三江紹益を開山として高台寺の塔頭・圓徳院に改められます。

 

 

 

圓徳院 長屋門

 

高台寺塔頭の圓徳院は、

高台寺の境内へと通じる台所坂の真向かいあって

拝観入り口長屋門は、やや南側にあると言っても

まあほぼ真向いと言っても良いかな。

 

圓徳院の正門は、警護の侍の詰め所が付属する

武家屋敷様式長屋門となっています。

 

長屋門寺院の正門に用いることはありませんが、

これは高台寺の塔頭『圓徳院』となる前の

高台院の邸宅だった頃の名残です。

 

 

 

庫裡と前庭

 

京都の多くの寺院は、施設内の拝観入り口は、

庫裡のことが多いのですが

圓徳院も高台寺と同じく施設内の拝観は、

方丈からとなっているのは、何か意味があるのか無いのか。

 

 

 

唐門

 

唐門の扁額には『圓徳』の文字が掲げられています。

 

因みに何度か名前が出ている木下利房は、

高台院(ねね)の甥で関ケ原の合戦の時に西軍で戦い敗北し、

処刑される所を高台院が徳川家康に働きかけて

無罪放免となった人物で、圓徳院の寺号は、

木下利房の戒名の院号『圓徳院』を寺号としています。

 

 

 

圓徳院 方丈

 

圓徳院の方丈(本堂)は、

1605年に木下利房により客殿として建てられたもので

1632年に高台寺の塔頭となった際に方丈とされました。

 

高台院の屋敷には、ねねを慕う多くの大名や夫人、

禅僧、文化人らが訪ねて来ていたようです。

高台院は、訪ねて来た客人を客殿(現方丈)に招き入れて

積もる話を楽しんでいたとのことです。

 

 

 

南庭

 

南庭は、1994年の方丈の解体修理の際に

現代の作庭家 森蘊(おさむ)氏の指導、北山安夫氏の監修により

奥村宗悦氏が作庭したものなので、かなり新しい庭ですね。

 

 

 

 

2024年は、高台院(ねね)の没後400年を迎える年で

2024年限定の装飾が施された南庭の白砂には、

銀閣寺の向月台のような周りに砂紋が描かれ

方丈縁側の緋毛氈に合わせた赤色の市松模様の飾り物が配置。

 

 

 

 

高台寺と比べると拝観者の数が少ないからなのか

高台寺の方丈では腰を下ろすことは禁止されていましたが

圓徳院では、問題なし。

 

なので方丈の縁側に腰を下ろして

2024年限りの南庭の装飾をじっくりと観賞することが出来ます。

 

 

 

 

1994年頃に南庭が作庭される以前、

この場所には何があったのだろうか。

 

 

 

上間の間 襖絵・雪月花

 

秀吉好みの色彩で描かれた襖絵は、

歴史が刻まれたものではなく近現代に描かれた襖絵。

 

 

 

 

部屋の前には、立ち入り禁止とは書かれていましたが、

有難いことに撮影は禁止ではないようなので

見事な襖絵を撮影させてもらうことが出来ました。

 

 

 

下間の間 襖絵・松竹梅

 

 

 

 

 

 

展示物 襖絵

 

初拝観の時、この場所には圓徳院で有名な

長谷川等伯筆『山水図襖絵(冬の絵)』の襖絵の複製が

展示されていたように記憶していたのですが………

 

 

 

展示物 掛け軸

 

高台寺の霊屋には、秀吉公と高台院の座像が、

圓徳院には、掛け軸に描かれた秀吉公と高台院が並んでいます。

 

 

 

方丈裏の坪庭

 

圓徳院の坪庭は、

南庭と同じ北山安夫氏によって整備されています。

 

 

 

渡り廊下

 

 

 

 

渡り廊下は、方丈と北書院を結んでいて、

渡り廊下から下を眺めると、石堀小路とねねの道を結んでいる

ねねの小路と呼ばれる道が通っています。

 

 

 

無尽蔵

 

渡り廊下の突き当りにある『無盡蔵』と書かれた土蔵があり

扉の奥が展示室になっていて蔵内に入ることは出来ますが、

土蔵内は、撮影禁止となっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北書院・北庭

 

元々の北書院は、

1605年に伏見城の北政所化粧御殿を移築したものでしたが

現在の北書院は、

1795年に北政所化粧御殿高台寺の小方丈として

高台寺に移築された後に新たに建てられたものになります。

 

 

 

 

圓徳院の北書院の『北庭』【国指定名勝】は、

伏見城の北政所化粧御殿の前庭であったものを圓徳院に移設したもので

賢庭による作庭といわれ、のちに小堀遠州の手が加えられたとのことです。

 

伏見城にあった時には、池泉回遊式庭園であったものを

この地に移設する際に枯山水庭園に変更しています。

 

 

 

 

200石以上の庭石が配置された圓徳院の北庭は、

私のお気に入りの庭園の一つです。

 

綺麗だとか、華やかだとかもそうではあるのですが

何より落ち着くんですよね。

 

 

 

 

私の隣に微笑む高台院が着座していて

高台院(ねね)と一緒に景観を眺めているのを想像すると

何とも言えない気持ちになるんですよね。

 

 

 

 

亀島と鶴島が配置されている所を良く見ると

窪みの中に亀島と鶴島が配置されているのが分かります。

 

伏見城時代の池泉回遊式庭園であった時には、

この窪みに水が湛えられていたと思われます。

 

 

 

 

北書院の静寂を破るちょっとした出来事が起きました。

 

外国人観光客が連れていた一人歩きをし始めた位の幼い女の子が

北書院の淵から柔道の背負い投げを喰らったかの如く、

綺麗に一回転して転落して姿が消えました。

 

その時北書院にいた全員が驚いて声を上げて心配しましたが

両親に引き上げられた女の子は、泣きながら母親の胸に飛び込み、

何故だか心配した父親が近付くと怒って叩いていました。

 

母親には素直に甘えて、父親には天邪鬼な甘え方、

父親は、理不尽な怒りを向けられて少し困惑気味でしたが

大きな愛情で優しくなだめてあげていた姿が微笑ましかった。

 

父親も母親と同じ様に

素直に甘えて欲しかったのではとも思いますが、

どっちの甘え方も可愛かったなあ。

 

 

 

桧垣の手水鉢

 

桧垣の手水鉢は、

宝塔の笠石を横にした面を凹字型に切り取ったもので

珍しい形の手水鉢です。

 

 

 

三面大黒天

 

京都御苑から移築された堂宇には、

豊臣秀吉の念持仏であった三面大黒天像の写しが祀られています。

 

三面大黒天とは、三つの顔を持った大黒天のことで

正面が大黒天(福の神)。右顔が毘沙門天(勝利と子宝の神)。

左顔が弁財天(学問と教養の神)。

 

 

 

歌仙堂

 

歌仙堂は、圓徳院を創建した木下利房の異母兄の

和歌の天才と謳われた木下勝俊(木下長嘯子)をお祀りしています。

 

 

 

ねねの道

 

圓徳院の拝観を終えた頃、ねねの道を照らす陽は、

赤い色を帯び始めています。

 

この僅かな時間帯のちょっと寂しげな雰囲気って

寂しがり屋なくせに割と好きなんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祇園下河原『 ひさご』

 

神戸に帰る前に事前に調べておいた

親子丼が美味しいとの『ひさご』で夕食をと立ち寄ったんですが、

定休日じゃないはずなのに暖簾が出ておらず何やら様子が変………

 

 

 

 

急ぎ携帯で調べてみたら、営業時間が午後4時まで。んが。

 

これからの稼ぎ時の前に営業が終了するとは夢にも思わなかった。

こうなると『ひさご』を訪問するのは、

高台寺の小方丈お披露目の1年半後になりそう。

 

 

 

 

もう少し桜の見頃は続きますが、

今年の桜は、おそらくこの桜で見納めとなります。

 

 

 

神座 祇園四条駅前店

 

阪急河原町駅に向かって歩いていると、

あの有名な大阪発祥の『神座』を発見。いつできたのだろうか。

東京で食べて以来の毎日食べても飽きがこない神座。美味かったあ。

 

後から私の隣の席に座った外国人が

店員に一言話した日本語の発音が良かったので

日常会話がぐらいは出来ると思ってパリクソ日本語で話しかけたら

日本語が全くダメだと分かった時は、終わったと思いました。

 

でも不思議なもので、

京都は3日目で神座に3回来店しているとか、

餃子を一つどうぞと勧められたり、

京都人なのかと聞かれ神戸からと言うと

オー神戸ビーフと目を輝かせたり、

 

ちゃんとしたお箸の使い方を教えてくれとか、

それでいて教えることが出来たりと

日本語と英語の会話が何となく成り立つという

何とも不思議な時を過ごしました。

 

 

今回も私の趣味、名所巡りにお付き合い下さり

ありがとうございました。

次回は、いつになるのか未定ではありますが

その際には、またお付き合い下されば嬉しく思います。

 

 

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