日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

本当の消費者優先とは?

2006-04-06 21:40:00 | ビジネス
現在毎日新聞が「縦並び社会」という企画を連載している。
そこに、縦並び社会・格差の源流に迫る:消費者優先の果てにという記事があった。
郊外型大型店に凌駕される、昔ながらの(駅前)商店街についてのレポート記事だ。

この記事にあるような地方は、いくらでもあるだろう。
というよりも、今や当たり前の風景となってしまっているのではないだろうか?
その背景には、消費者のライフスタイルの変化などの影響が強いという指摘は、何度もされてきた。
駅前などにある商店街では、大規模駐車場を持つことが難しい。
そして、営業時間なども郊外型大型スーパーに比べれば、ズット短い。
だから魅力がないのか?といえるほど、単純なものなのだろうか?

私の実家の話で申し訳ないのだが、昔からある商店街のお店の多くは薄暗く、やや煤けた感じが否めない。
その為商品そのものが、新鮮に見えないし、お店が(時代に即した)情報を発信しているような気もしないのだ。
だから、郊外型の大規模駐車場を持つスーパーマーケットのほうが、良いのか?といわれると、決してそうではない。
地域におけるスーパーマーケットの存在は、都市部における百貨店なのである。
その傾向は、都市部でも見られるようになってきた。
先日名古屋でオープンした「イオンナゴヤドーム前店」などは、スーパーマーケットのジャスコと専門店の複合施設となっている。
百貨店ほどお高くなく、これまでのスーパーマーケットよりも、オシャレな店舗作りをしている。
何より、それぞれの売り場に置かれている商品そのものが、情報を発信している。
「日常のオシャレなショッピングゾーン」という、感じなのだ。

では、昔ながらの商店街は、どうしたらよいのだろう?
遅くまでお店を開くことが無理なら、もっと個人の生活を見つめてみてみてはどうだろう?
元々商店街には、専門店が集まっているのだ。
高齢者家庭に対して、専門店が協同で食材やお惣菜を配達するような「ミール・サービス」などのビジネスは出来ないだろうか?
そのようなネットワークを作り上げることで、独居老人などの生活サポートだけではなく、高齢者世帯の状況を把握することで、いわゆる「孤独死」を未然に防げるようになるかも知れない。
そのような視点や発想のほうが、本当の消費者優先なのではないだろうか?