日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

声高に言う企業よりも、進んでいた理化学研究所の「ダイバーシティ」

2014-01-30 17:59:08 | ビジネス

今朝の新聞各紙の一面は、おそらく「STAP細胞」の記事だったのではないだろうか?
これまで再生医療の中心と考えられてきたiPS細胞よりも簡単で、安価に短時間で作れると言うのだから、驚いてしまう。
その様な研究が、日本でされてきたことも素晴らしいと思うのだが、その研究の中心となっていたのが、30歳といううら若き女性。
もちろん、先輩研究者たちの後押しがあってのことだが、30歳という若さ、しかも女性というのは、最近話題となっている「リケジョ(=理科系女子)」の先駆者的存在となりそうだ。

この快挙を成し遂げた小保方さんも素晴らしいと思うのだが、彼女をサポートしてきた周囲の先輩研究者や理化学研究所も素晴らしいと思う。
と言うのも、彼女を「ユニットリーダー」というリーダー職に就けているということ。
それだけではなく、それまで研究(=学んできた)分野が全く違うにも関わらず、受け入れ研究をサポートしてきたからだ。
彼女の努力や研究に対する情熱・・・その様なモノがあったからこそ!だとは思うのだが、日本の企業でここまでのことをさせる企業がどれほどあるのだろうか?

数年前から「イノベーティブな企業文化を創る」ということで、「ダイバーシティ」に取り組む企業が増えている。
この場合、多くの企業が考え実践しているのが、外国人の雇用だ。
その為に「社内公用語」を「英語」にする、と言う企業もある。
しかし、本当の「ダイバーシティ」というのは、「理化学研究所」の様なところのことを言うのではないだろうか?

一つの研究テーマに、畑違いの研究経験者が入ることで、それまでとは違う視点で研究を見るコトができる。
そこには男性・女性というのは関係はない。その研究者の経歴や経験などだろう。
別に外国人を積極的に雇用しなくても、「社内公用語を英語」にしなくても、イノベーティブな文化を持つ組織というのは創れるのだ。
むしろ「イノベーティブな文化を阻むモノ」というのは、権威主義とか思い込み、かつての成功体験から脱却できないことなではないだろうか?

心身のハンディのある人、子育てや介護で職場を離れていた人、大病を患いながらも前向きに取り組む姿勢がある人・・・様々な価値観や経験を持った人達が集まることで、良い意味ので「摩擦」が生まれ、それが化学反応を起こし「イノベーティブな文化を創る」。そう考えると、「ダイバーシティ云々」と声高に言っている企業よりも、遙かに理化学研究所のほうが進んでいる様に思う。

それにしても、白衣ではなく「かっぽう着」というのも、ユニークだ。
それを認める理化学研究所も、懐が深い。