日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「クールジャパン」を、もっと身近に

2015-05-16 19:49:51 | アラカルト

久しぶりに会った知人が、とても素敵な写真を見せてくれた。
彼女のお嬢さんは今ご主人の仕事の都合で、イギリスにいらっしゃる。
そのお嬢さんに会いに、イギリスへ行かれたのだが、丁度「戦勝記念の行事」と重なり、随分ユニオンジャックが街中ではためいていたそうだ。

ロンドンの写真を拝見しながら、知人がいろいろと説明をしてくれたのだがその中でも興味深かった写真が、「駅構内にいるパディントン」だった。他にも映画「ハリーポッター」に登場する駅のホームには、「ハリーポッター」にまつわるオブジェがさりげなくあり、観光客だけではなく通りすがりの人たちもポーズをとり、写真を撮っていたという。

考えてみれば、日本にはこのような場所というのはほとんどない。
実家近くの境港市にある、「ゲゲゲの鬼太郎」のオブジェなどがある通り位だろうか?
街中や駅のホームにアニメキャラクターのオブジェがあり、そのオブジェ目当てに人が集まるという発想そのものが、あまりないような気がする。
しかし考え方を変えてみると「もったいない」ような気がする。
というのも、日本のアニメキャラクターは、ご存じのとおり世界中で大人気だからだ。
日本のイメージ戦略・観光戦略の一つである、「クールジャパン」の柱でもある。
毎年夏になると(なぜか?)名古屋で「コスプレサミット」が開かれ、世界中のコスプレファンが集まる一大イベントになっている。
にも拘わらず、アニメキャラクターのオブジェが何気なく街中にあり、それを目当てにした観光客を誘致する、ということはほとんどないように思う。

確かに日本のアニメキャラクターのほとんどが「空想の世界の住人」で、「現実としての場所がない」ということもあると思う。
であれば、アニメにこだわらず映画でもよいと思う。
柴又には寅さんの像があるが、「像」として飾ってあるだけでは面白くない。
映画のワンシーンのように、自分もその場面に参加する、という感覚が人を呼ぶのではないだろうか?
神戸の長田区には、実物大(?)の「鉄人28号」があったと思うが、自分が「鉄人28号」を操作しているという仕掛け(オブジェ)があれば、もっと楽しいく人を集めることができるのでは?

パディントンや「ハリーポッター」の一場面を体験するためには、USJのようなアミューズメントパークに出かけなくてはならない。もし、それほど大がかりな施設ではなくオブジェのようなモノと自分が一緒に写真に撮ることができれば、アミューズメントパークとは違った楽しさが、町中にあふれるのではないだろうか。

数枚の写真と知人の笑顔が、今回の旅行の楽しさを伝えていたと同時に、そんなことを考えさせてもらった。