日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大塚家具とジェネリック家具

2015-05-19 20:49:50 | ビジネス

昨日何気なくYahooのトップページを眺めていたら、「ジェネリック家具」という広告が表示された。
「家具にも、ジェネリックがあるんだ・・・」と思い、思わずクリックした。
ご存じの方も多いと思われる「ジェネリック薬品」その、家具版ということらしい。
デザインの版権が切れた、いわゆる「デザイナーズ家具」で、それまでの「デザイナーズ家具」に比べ、安価に「デザイナーズ家具」を買うことができる、ということのようだ。

この「ジェネリック家具」の広告を見たとき、フッと思ったのが大塚家具だった。
この春、様々なところで話題となった家具販売会社だ。
「親子の争い」部分だけに、クローズアップされた感があったが、その「親子の争い」の原因となったのは、本業の先行きに対する意見の対立だった。
これまでと同じ方法で、商売を続けたい父親と新しい商売の方法を考え、展開をしていきたいお嬢さんとの意見が分かれた「経営者」としての意見の相違が、発端だった。

しかし考えてみれば、今の家具販売というのは様々な意味で「岐路」に立たされているような気がする。
たとえば、街中にあった「家具店」がいつの間にか閉店している、ということがある。
名古屋のように「婚礼家具」などにも相当のお金を出す地域であっても、大須などの家具屋街でも家具店が減っているような気がする。
一方、「ニトリ」や「IKEA」などは人気が高く、店舗なども増える傾向がある。
生活者そのものが、昔ながらの箪笥などの家具ではなく、「収納」のための道具という考え方に変わりつつある、ということだけではなく、マンションなどでは「ウォーキングクローゼット」などの収納スペースが当然にようにある。
見方を変えれば、「家具」という考え方そのものが、変わりつつあるのでは?という気がしている。
もちろん、ベッドやソファーなどは確かに「大型家具」ではあるが、生活者は「家具」ではなく「インテリア」という感覚で見ているのではないだろうか?
そこに、旧来の家具店と「IKEA」などとの違いが、あるという気がする。

とすれば、大塚家具もまた今後、力を入れていかなくてはいけない商品というのは、「婚礼家具」のような大型家具ではなく「ライフスタイルにマッチしたインテリア」としての家具ということになると思う。
その意味で「ジェネリック家具」というのは、比較的安価で手に入る「デザイナーズ家具」ということになる。
何より、20年以上前からその高いデザイン性で人気のあった家具、ということを考えると、このような分野の家具を積極的に取り込んでいくのではないか?という気がしている。