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「強い国」とは、どんな国なのだろう

2015-08-06 21:03:11 | 徒然

今日は、広島に原爆が投下されてから70年の日だった。
9日になれば、長崎の「原爆の日」となる。
そして15日は「終戦記念日」だ。
8月はその意味で「慰霊の月」ともいえる。

その「慰霊」という事を考える月だからこそ、考えなくてはならないと思う事がある。
それは「強い国とは」という事だ。
先日公開された「玉音放送」を拝聴すると、先の戦争が始まるきっかけとなった一つが「東亜の安定」があった。
「武力」という、「力対力=戦争」で安定を求めるというのは、決して良い方法ではなかった。
それは日本の自国民だけではなく、「東亜の国の人たち」までも戦争に巻き込み、多くの人の命を奪うことになったからだ。

その「玉音放送」が録音・放送されてから70年が経過し、日本の最高権力者としての安倍さんは「力(=武力)による安心」を訴えている。
本当に「力(=武力)による安心」など、あるのだろうか?という疑問だけではなく「力(=武力)を持つ」ことが、果たして「強い国」なのだろうか?と考えるのだ。

安倍さんは、先の「米国・オバマ大統領との会談での約束だから」というつもりかもしれないが、そのオバマさんご自身は、日本に「武力行使できる力」を望んでいるのだろうか?
もちろん、米国の国内事情という事もあると思う。
なぜなら、米国の主要産業の一つが「武器製造・武器輸出」だからだ。
むしろオバマさんの目的は「米国の国際的武力行使の軽減」が、目的なのではないだろうか?
そんなことを思わせる記事が、朝日新聞に掲載されている。
朝日新聞:イラン核合意「外交か戦争か」オバマ氏が米議会を牽制

米国は先だって開かれていた「核拡散防止条約」に署名をしなかった。
その理由の一つは、ロシアとの関係だろう。
ロシアのプーチンさんは、「必要とあらば、核兵器を使う用意がある」という、趣旨の発言をされているからだ。
しかし、オバマさん自身は「核兵器のない世界へ」というプラハでの演説で、ノーベル平和賞を受賞をしている。
今や「核兵器」そのものは、オバマさんにとって悩ましい問題となってしまっているのでは、ないだろうか。
だからこそ、米議会を牽制してまで外交という方法で、何とかまとめたいという気持ちがあるのでは?という気がする。

何よりもこの記事の中で注目すべき点は、ブッシュ大統領が「大量破壊兵器がある」と言って始めた、イラク戦争について言及している点だ。
イラク戦争によって、何が起きたのか?と言えば、中東情勢を不安定にさせただけではなく、IS(もしくは「ダーイッシュ」)という、中東だけではなく欧州や米国にまで社会不安を引き起こすような過激派を生み出したからだ。

考えてみれば、ブッシュ親子は「力(=武力)がある国」が「強い国」というメッセージを頻繁に発信していた。
そのピークとなったのが、「9.11同時多発テロ」を引き起こすきっかけとなった「湾岸戦争」であり、「同時多発テロ」に対する「イラク戦争」だった。そのような発想に、日本が同調してよいのだろうか?
確かに「力(=武力)がある国=強い国」というのは、わかりやすい。
しかし本当に「強い国」というのは、昭和天皇の「玉音放送」の中にあったような「文化を尊重し、武力ではない方法で恒久的な平和を目指せる国」なのでは、ないだろうか?

今日の広島原爆慰霊式典で、安倍さんの言葉を聞きながら、どこか違和感を覚えたのは私だけだろうか?