日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マックとモスの違いを感じた日

2015-08-10 19:38:09 | ビジネス

今日、久々に近所の「モスバーガー」へ行った。
実は先週、リニューアルをした「マクドナルド」にも、行っている。
別にファーストフードが好きなわけではなく、猛暑を逃れたくてファーストフード店で涼みながら考えごとをするために、出かけたのだった。
そこで感じたのが、マックとモスの違いだった。

「お店が違うのだから、違って当たり前」なのだが、なんとなく「企業文化」そのものが随分違っていて、マクドナルドが苦戦を強いられている理由の一つがわかったような気がしたのだ。
一言でいえば、マクドナルドは米国的な合理性。モスバーガーは良い意味での「緩さ」を感じたからだ。
「米国的な合理性」というのは、お客様からの受けた注文を短時間でこなす、という点が一番わかりやすいと思う。
そのため、厨房からレジカウンターのスタッフからは、その仕事をこなすための必死さが伝わってくる。
久々に復活した「smile 0円」表示も、どこか寂し気だ。

モスバーガーの厨房が、のんびりしているわけではない。
ただ、お客様に「必死さ」を伝えないようにしている、という印象を受けたのだ。
そして大きな違いは、カウンターで商品を渡すのではなく、店内飲食のお客さまにはテーブルまで、持ち帰りのお客様には、店内にいるお客さまのところまで持ってくる、という違いが大きいように思う。
テーブルまで持ってきてくれるとか店内で待っているお客さまのところまで、スタッフが持ってくる、というのはモスバーガーの基本的なオペレーションではないのかもしれないが、各店舗=客層に合わせた「緩さ」が、ファーストフードでありながら、ある種の「丁寧さ」を顧客に印象づけることができているように思ったのだ。

だからと言って、マックのカウンター渡しが悪いわけではない。
上述した通り、とにかく「目の前の業務に追われている」という点で、お客様との接点が少なくなっているような気がしたのだ。
お客様にまで、ある種の緊張感のようなものを、無意識のうちに与えているのでは?という事なのだ。

そんなマックの店内の中で、「おや!?」と感じた瞬間があった。
ご高齢のスタッフの女性で、お掃除を担当されている方だった。
「どうぞ、ごゆっくりしていってくださいね。」と、笑顔で声をかけてくださったのだ。
この「ごゆっくりしていってくださいね」という言葉は、今のマックでは禁句となっているのでは?という気がしていた時にかけられた言葉だった。

なんとなくだが、マックになくてモスにあったのは、この「ごゆっくりしていってください」という、程よい「緩さ加減」なのではないだろうか?

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