2020年の東京オリンピックは、何かに取りつかれたような感じで、トラブル続きになっている。
「新国立競技場」の建築費の問題に始まり、今現在はエンブレムデザインが問題になっている。
確かにベルギーの劇場のデザインと見比べてみると、素人目には「似ている?似過ぎ?!」という感じがする。
「シンプルなデザインは、どこか似る部分がある」と、言われているが「似過ぎ」となると「パクリ?」と思われても仕方ないかもしれない。
問題は、その後このエンブレムデザインをしたデザイナー(と事務所)が過去にデザインしたものが、次々と「パクリ?」と思われるようなモノであった、という点だろう。
ここまで「パクリ?」といわれるようになると、やはり仕切り直しをしたほうが良いのでは?という意見が出てきてもおかしくはないと思う。
国際的なイベント開催で、このようなトラブルが続くというのは「縁起が悪い」という気がするからだ。
そんな中、俳優の田辺誠一さんがエンブレムデザインを非公式で発表した。
ご存じの方も多いと思うのだが、田辺さんは以前テレビに出演されたときにその絵心の無さというか、独特の絵画センス?で、一部のネットユーザーからは「田辺画伯」と呼ばれている。
田辺さんはそのことを逆手にとって?次々と作品をネットなどに投稿し、LINEのスタンプデザインまでされるようになった。
その田辺さんが、エンブレムデザインをTwitterで発表したのだ。
NETGEEK:俳優の田辺誠一が非公式でオリンピックエンブレムをデザイン
五輪のマークを横に並べるという発想は、プロではないからできる発想だと思う。
もちろん、IOCから了解を得られるとは思えないが、デザインをするうえで考えた「平等・平和」という理念は、東京の「T」で十分表すことができるだろう。
何より、1964年のオリンピックエンブレムをデザインした、亀倉雄策さんのオマージュの様にも見える。
そして田辺さんの「平等・平和」という言葉で、思い出したことがある。
それは1964年の東京オリンピックが、エポック的な大会であったという点だ。
今では当たり前の光景となった、閉会式で選手たちが国や地域を超え肩を組み自由に入場する様になったのは、東京オリンピックが最初だった。
偶然に起こったことだったようだが、今ではオリンピックの象徴のような光景となっている。
もう一つは、冷戦時代であった当時、東西に分かれていたドイツが、一つの国として代表選手を送っていたことだ。
冷戦時代、このようなことがあったのは後にも先にも1964年の東京オリンピックだけだった。
それだけオリンピックという世界的イベントが「平和」と「平等」の象徴であると、IOC自身も考えているのではないだろうか?
もちろん、誘致のポスターで使われ今現在の評価が高いデザインも含め、仕切り直しをしてみてはいかがだろう。
既にオフィシャルサプライヤーとして契約をした企業側にとっては、印刷物などを含め損害部分もあると思う。
それでも「いわくつきデザイン」を使うよりも、企業側も安心するのではないだろうか?