昨年位から、女性の下着のCMが変わりつつある。
拙ブログにこられる男性諸氏には「???」なことかもしれないのだが、この変化は見逃すにはもったいない変化のような気がしている。
その「変化」は何か?と言うと、ブラジャーなどの下着モデルとして起用される女優さんなどの年齢が、上がっている、という点だ。
2,3年前くらいからだと思うのだが、篠原涼子さんがトリンプの「天使のブラ」のモデルに起用されている。
そして今年に入ると、同じトリンプの別ブランドで松田聖子さんが、起用され話題になった。
トリンプだけではなくワコールも、女優の板谷由夏さんを起用した新しいブランドを展開し始めている。
篠原さんも板谷さんも、40代、松田聖子さんは50代。
これまでであれば、ブラジャーのCMなどに起用される世代ではないはずだ。
にもかかわらず、胸元の素肌を見せるブラジャーのCMに起用されるようになってきた、というのは大きな変化だと思う。
もちろん、彼女たちの素肌の綺麗さなどはあるが、市場的にも40代50代の女性がボディーラインなどを気にする傾向がある、ということを調べたうえでのことだろう。
彼女たちの起用には、もう一つの理由があると考えている。
それは、いくら人前に出ることが仕事である女優さんや歌手であったとしても、ファッションモデルではない、という点だ。
女優さんや歌手であれば、「若々しいボディーライン」を保つことよりも、その時々の年齢にあった「自然さ」を求められる。
「若々しい」だけでは、キャリアを反映しているとは言えない。
「上手な年齢の重ねかたが、その人を美しく見せる」というイメージを、伝えているように思えるのだ。
バブルの頃からつい最近まで、ブラジャーのキャッチコピーと言えば「寄せて上げる」だった。
それでは「自然な美しさ」のバストラインが作れない。
ブラジャーはあくまでも「服を着るための土台下着」なので、胸ばかり強調しても「自然で健やかなその人らしさ」には、結びつかない。
まして、それなりの社会的経験・人生経験をしてきた女性たちには、不釣り合いということだろう。
もう一つ40代、50代女性が注目されるのは、彼女たち世代が「本格的な企業におけるキャリア世代」だからだろう。
「男女雇用機会均等法」が施行され、企業でもこの世代の役職者が求められるようになってきている。
その部分でも、彼女たちはイメージウーマンとして起用しやすいのだと思う。
今日のHUFFPOSTに「寄せて上げる」時代は終わった?という記事が、掲載されている。
時代はどうやら「自然(ナチュラル)志向」へと、移りつつあるようだ。
HUFFPOST: 「寄せて上げる」時代は終わった?