元々NHKの「朝ドラ」の時間は、出勤時間だったりしていたので、見ることはなかった。
脅威の視聴率と言われた「おしん」の時ですら、1度も見ていない。
そんな「朝ドラ」とは縁が無い!と言っても良いほどなのだが、最近気になっていることがある。
それは、いよいよ「暮らしの手帖」を出版する、という話になってきたからだ。
もちろん、劇中では「暮らしの手帖」という名前の雑誌ではないはずだが、モデルとなっているのは「暮らしの手帖」であることは、ご存じの方も多いと思う。
「暮らしの手帖」と言えば、花森安治さんという名物編集者がいたからこそ、他の雑誌とは全く違う「雑誌」ができたといっても過言ではないと思う。
その花森さんの経歴を見るとわかるのだが、戦時中は大政翼賛会の外郭団体に在籍をしたことがある。
「欲しがりません、勝つまでは!」という、キャッチフレーズは一般募集した中から花森さんが選んだ、とも言われている。
「戦争に加担した」という思いが強かったのだろうか?その後、花森さんは「暮らしの手帖」社から「一銭五厘の旗」という本を出している。
この「一銭五厘の旗」こそ、花森さんが戦争を通して考えた「平和な社会を創る」第一歩だったような気がする。
とすると、ドラマの「とと姉ちゃん」でもこの花森さんの「平和への思い」という部分が、語られなくては「暮らしの手帖」の本質のようなモノが意味がないのでは?という気がするのだ。
モデルとなった大橋鎭子さんもまた、戦争という体験から「平和への思い」を「暮らしの手帖」から、発信していたのでは?と、感じている。
ドラマとしての人間模様だけを描いていては、大橋鎭子さんの生き方や花森さんの考えなどは、伝わってはこないだろう。
是非とも「とと姉ちゃん」では、「暮らしの手帖」という雑誌を創刊した大橋さんと花森さんの「(平和への)考え」を伝えてほしいと思っている。
何より、来月は「慰霊の月」でもあるのだから。
ちなみに、NHKのeテレの「100分で名著」では、カントの「永遠平和のために」が予定されている。
高校生くらいの方から、見てほしい・・・と勝手に思っている。