米国大統領になった、トランプ氏の暴走が止まらない。
就任以来、次々と「大統領令」を発動し、様々な混乱を招いている。
その最たるものが、特定の国からの人たちの入国禁止令だろう。
トランプ氏は、「イスラム教徒を差別しているわけではない」と言っているようだが、入国禁止対象国となった国々は、国民の大半がイスラム教徒という国ばかりだ。
確かに、ダーイッシュ(あるいは「IS国」)によるテロは、多くの市民を巻き込み社会不安を引き起こすが、だからといって、即入国禁止というはこれまで無かった。
というのも、ダーイッシュに感化され、トレーニングを受けた自国出身者が、帰国後にテロを行っていたという場合もあったからだ。
特に欧州では、そのようなケースが多かった。
だからだろう、欧州諸国を中心にトランプ氏の「入国禁止令」に対して、反対をする発言が続いている。
隣国・カナダのトルドー氏は保守派と言われているが、「カナダは、難民を受け入れる」と表明をしている。
トランプ氏の発言の多くを見てみると、一元的というか物事の判断基準がとてもシンプルだ、ということに気づく。
移民によって奪われている雇用を確保するために、排除する必要がある=メキシコからの移民を越させないために「壁を造ろう!」
とか
「アメリカがテロの標的にならないために、イスラム教圏からの入国を禁止しよう」
といった具合だ。
そもそもダーイッシュの誕生の背景には、米国が起こした「イスラム戦争」がある。
時の大統領は、トランプ氏と同じ共和党のブッシュ氏だった。
問題なのは、世界はトランプ氏が考えているよりも、ずっと複雑で様々な問題を抱えている、という点だ。
トランプ氏が、就任後早々に「環境問題よりも経済」と言って、破棄をした政策等もその一例だろう。
環境問題を解決していく過程で、経済問題も解決できる方策を考える、という発想が無いように思えるのだ。
これまでトランプ氏の政策は、「アメリカン・ファースト」という言葉で括られ、「保護貿易主義」とも言われてきた。
今回のような発言を見ると「保護貿易主義」というよりも、「鎖国」を目指しているのでは?という、気がしてくる。
新しい国のリーダーが決まってから100日間は、様子見ということで野党はあまり煩いコトを言わない、という暗黙の了解がある、と言われている。
しかし、今のような状況が続けば100日前に与党から、何等かのアクションがあるかもしれない。
とすれば、毎年初夏に開催される「サミット」への出席も、危ういかもしれない。