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明日の大統領就任セレモニー

2017-01-20 19:54:08 | アラカルト

日本時間の明日に行われる、米国大統領の就任セレモニー。
8年前、オバマさんが就任した時のワシントンDC.は、熱狂に包まれていた。
それは、米国初の黒人大統領誕生ということもあったと思うが、それよりも「何かを変えてくれる!」という、期待感があったように思う。
残念ながら、その時の「期待感」は年々薄れていってしまった感はあったが、それでも昨年の大統領選の頃一部では「オバマ氏支持」が、ヒラリー氏よりも上回っていた時期もあったようだ。

確かに、トランプVSヒラリーという大統領選は、「どちらがましか?」という選択だったともいわれていた。
結果は、ご存じの通り政治経験も何もないトランプ氏の勝利に終わり、明日、米国民衆の前で「大統領としての宣誓」を行い、正式な大統領となる。
しかし、その船出は決して順風なものになるとは言えないようだ。

既に報道されているように、様々な人たちが「反トランプ」を掲げデモなどを行っている。
CNNなどの世論調査でも、就任前の大統領としては異例の低支持率で、支持よりも反支持のほうが上回ってしまっている。
CNN:トランプ氏、就任直前の支持率40% 歴代でも低水準

この影響は、意外なところにまで及ぼしているようだ。
大統領の就任セレモニーは、宣誓式後のパレード、パーティーと続く。
オバマさんの時だけではなく、注目を浴びるのは「ファーストレディー」となった、奥様のファッションや立ち居振る舞いにまで及ぶ。
オバマさんの奥様であるミッシェル夫人のファッションセンスは、ファッション業界からも一目置かれるような「ファッションリーダー」のようなところがあり、無名・有名問わず様々なデザイナーの服を素敵なコーディネートで着こなしてきた。
ところが、トランプ氏の場合ファッションデザイナー側が「着てほしくない」と、言いだしているらしい。
もちろん、すべての米国のファッションデザイナーが、「着てほしくない」と言っているわけではないのだが、それでも、積極的に着て欲しい!というデザイナーは極少数派のようだ。

それよりも問題?となっているのは、パーティーに参列する大物アーティストたちが、こぞって「拒否」をしている点だろう。
元々大物アーティストと呼ばれる人たちの多くが、民主党支持派ということもあるのだが、それにしてもオファーをすれども「拒否」され続けている、というのは異常なコトだと思う。
ファッションデザイナー側にしても、パーティーで演奏するアーティストにしても、「トランプ支持」というイメージが付くことを嫌がっているのだ。
その理由は、これまでのトランプ氏の「差別的発言の数々」によるモノだろう。

民主党の議員さん50人くらいが、これらのセレモニーを拒否していることも、異常事態と言えるだろう。
ヒラリー氏の敗北宣言を思い出して欲しいのだが、大統領選に負けた時「米国という国の為に、一つになりましょう」という言葉を、ヒラリー氏は言っている。
この「米国の為に、一つになりましょう」という言葉そのものは、敗北宣言での「お約束」のような台詞で、この言葉で、大統領選に敗れた側も新体制に移行に向け協力していく、という道筋ができるのだ。
その「新体制移行への協力」を拒否していると思われるような、行動だと思われても仕方がないような行動なのだ。

元々米国は、様々な人種が集まり、多様な文化によって大きく発展をしてきた。
その「多様性」を否定するような発言を繰り返すトランプ氏。
明日の就任式典からの4年後、米国はどのような国へと変わっているのだろうか?