一昨日、トヨタ自動車が「レクサス」のブランド名で、船舶事業を展開するというニュースがあった。
TBS NEWS: 「レクサス」が船に、トヨタがコンセプトボート公開
トヨタ自動車が、20年前から船舶事業をしていたとは知らなかった。
ついクルマにばかり、注目がいっていた為あまり報道もされなかったのかもしれないし、トヨタ自動車全体の中では船舶事業は高い売り上げを持っていなかったのかもしれない。
この映像を見て感じたことなのだが、いくらコンセプトクルーザーとは言え、このデザインって・・・???というのが、率直な感想だ。
このコンセプトクルーザーを見て思い浮かんだのは、2,3日前から話題になっている「ビッグマウスサメ」だ。
その理由はクルーザーの形が全体的に丸みを帯びているように、見えるからだ。
今年1月に公開された上から見た状態の写真では、普通のボートのように見えるのだが、側面から見ると「・・・???」な印象を持ってしまう(のは私だけだろうか?)。
乗り物ニュース:海の「レクサス」世界初披露 クルマのエンジンを搭載したオープンクルーザー
レクサスブランドで展開する理由は、(おそらく)レクサスのエンジンを搭載しているからだと思うのだが、だからと言って、このデザインは「レクサスブランド」をイメージさせるデザインなのだろうか?
確かに「レクサス」は、ハイラグジュアリー車という位置づけのクルマだ。
ハイラグジュアリーということを追求した結果、このようなデザインになった、ということだろうか?
ボートやクルーザーだけではないが、「機能美」というデザインの美しさがある。
その物の機能を追求した結果、余分なモノを排除し研ぎ澄まされたシンプルな中にも美しさを感じるデザインだ。
その一方で、ファッションの世界のように装飾性の高いデザインに、高い感性を感じさせるモノもある。
どちらのデザインが優れているわけではないのだが、ボートのような乗り物には「機能美」が、優先されるような気がしている。
ここ2,3年「スポーツ」という言葉をキーワードに、トヨタはモデルチェンジをしたり新しい車種を展開している。
そのどれもが(あくまでも個人的には)、「・・・???」というデザインなのだ。
CーHRを見た時、日産のジュークのデザインを思い浮かべてしまったし、ハイブリッド車にしモデルチェンジをしたシエンタについては、購買顧客層の子育て世代に「スポーツ」というコンセプトデザインは、マッチしているのだろうか?と、感じていた。
実際ラジオCMなどを聞いていても、「スポーツ」ということにこだわりすぎて、こじつけのような内容になってしまっている感がある。
結果、訴求という点がボンヤリとなり「何が言いたいの?」という、ラジオCMになってしまっているように感じる。
元々、トヨタのデザインには「既視感」がある、と言われていた。
「既視感」があることが悪いわけではない、「機能美」を追求していくと同じようなデザインになってしまうことは、往々にしてあるからだ。
オフロードSUV車などは別にして、自動車メーカー各社のフロントデザインが「箱型」から「流線形」になってきているのも、「機能美」や「燃費効率の良いデザイン」ということを追及した結果だろう。
それでも、どこかしら「オリジナル感」があるデザインにしようとしているし、そのデザインがそのクルマの個性にも感じられる。
だが売り上げなどでは、トップを走るトヨタに限って「デザインは・・・???」という声が、少なくない。
少なくとも、私の周囲では「クルマとしては良いと思うが、デザインが・・・」という人は案外多い。
今回の「レクサスクルーザー」も、特徴を出すためにあえて丸みを帯びたデザインにしたのかもしれないのだが、クルーザーという乗り物の一般的なイメージから、「レクサスらしさ」を追求したほうが良かったのでは?と、感じる。