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映画「「The Greatest Showman」が問いかけるモノ

2018-01-20 12:03:26 | Weblog

既にネットで話題になっている(と思う)、大阪府立登美丘高校ダンス部の最新?の映像がyoutubeにアップされている。
今回の映像は、ハリウッド映画「The Greatest Showman」とのコラボ作品だ。
HUFFPOST:登美丘高校ダンス部、ついにハリウッドとコラボ 制服姿で踊る姿は、やっぱりキレッキレ
彼女たちのダンスの振付の一部は、映画「The Greatest Showman」の主題歌となっている「This is Me」で、彼女たちが踊っている楽曲もこの「This is Me」だ。
先ごろ発表された、ゴールデングローブ賞でも主題歌賞を受賞している。

映画のプロモーションビデオを見ると分かると思うが、舞台となっているのは19世紀だ。
主人公となっているのは、P・T・バーナムだと言われているようだ。
昨年話題となった、ミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」のスタッフが創り上げた、ミュージカル映画の最新作ということらしい(少なくとも、公式サイトではそのようになっている)。

日本での映画封切は2月の中旬で、1ヵ月ほど後だがプロモーションビデオや「This is Me」の動画を見ていると、19世紀の伝説のエンターティナーを描いた作品というだけではなく、今という時代だからこそ問いかけているモノがあるように感じてしまうのだ。
それが一番顕著に感じるのは、主題歌となっている「This is Me」の動画だ。
登美丘高校の動画では、日本語訳が付いているのでより分かり易いと思うのだが、映画の一部を使ったプロモーションビデオを見ると「多様性と尊重」と言う言葉が思い浮かぶ。

19世紀の「見世物小屋」と呼ばれる場所で、自分の身体的問題をさらけ出していた人たちがいる。
意外なコトだが、ここ数年人気となっている心理学者・アドラーは見世物小屋で働く彼らを医師として間近で見ることで、心理学への道を歩くことになったと、以前E-テレの「100分で名著・アドラーの『人生の意味についての心理学』」の中で、語られていた。
アドラーが注目したのは、そのような身体的問題を抱えた人たちが、「身体的劣性から生じるマイナスを何らかで補償しようとする。それが何等かの形で性格形成や行動に影響を与えているのでは?」と着想し、それがアドラーの心理学の基となったようだ。

改めてこの「This is Me」のプロモーションビデオを見て見ると、身体的ハンディを含め、人の違いを認め合うことの大切さということが見えてくる。
映画に登場する人達は、どこか奇形した体を持っている。
中には「アルビノ」と思われる女性もいれば、「シャム双生児では?」と思われる男性の姿もある。
今でこそ、「アルビノ」や「シャム双生児」という認識を持ってみることができるが、19世紀の頃は「奇異な人たち」と周囲から見られ、時には蔑まれてきただろう、ということは想像することができる。
多くの人にとって「自分と違う」ということは、なかなか受け入れることができないことだからだ。
それは映画の舞台となった19世紀も今の21世紀も、変わらないはずだ。
むしろ今のほうが、より冷たく残酷な社会になっているかもしれない。

トランプ大統領が誕生して1年が過ぎようとしている。
そしてトランプ氏登場によって、世界中で露わになってきたコトの一つが、「自分とは違う人達を排除したい」ということのような気がしている。
そう考えるとこの「The Greatest Showman」は、今という時代が生んだエンターテイメントなのでは?という見方もできると思う。