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女性マーケターから見た日々の出来事

SNSと企業イメージ

2018-01-24 12:04:12 | ビジネス

21日から大雪に見舞われた首都圏。
4年ぶりに東京では「大雪警報」などが出るなど、交通機関などを含め大変だったようだ。
そんな中、東急ハンズのツイートが話題になっているらしい。
Jcats News:東急ハンズが「ハンズに来ている場合ではありません」 大雪で「なかなか言えない」ツイート

雪が当たり前のように降り、積もる地域に住んでいる方々にとって、東京の大雪は「そんなに騒ぐほどでは?」という気になるだろう。
雪が積もらない地域であっても、「東京偏重のニュース」だと、感じている方も多いと思う。
実は、私もその一人だ。
とはいうものの、首都圏は物流の要ともなっている場合も多く、今回の大雪で関東以北の地域からここ東海地域への物流の遅れなどが発生し、現場では混乱も多かったのではないだろうか?

そんな騒動の時に、あえて「東急ハンズに来ている場合ではありません。早い帰宅を」と呼びかけるツイートをした、ということは受け手となる人たちから「東急ハンズって、お客様のことを思い、心配をする会社なのだな~」という、印象を与えたように思う。
実際、Yahoo!などのサイトに掲載されている書き込みなどを読むと、概ね好意的であったようだ。

今、企業イメージを左右するのは不特定多数の人達が見るテレビCMだけではない、と言われている。
むしろ企業側が注意を払わなくてはいけないのは、SNSだと言われている。
その理由は、想像できると思う。
一瞬のうちに一人のつぶやきが、瞬く間にシェアされ、リツイートされ・・・拡散するからだ。
例えその企業と関係が無いと思われる人達に対しても、それらの情報を目にすることになる。
「企業にとって関係が無い人」と思っていても、将来の顧客となる可能性は十分にある。
だからこそ、企業はSNSでつぶやかれる内容を、チェックしなくてはならない状況にある。

企業側にとって「火のない所に煙は立たぬ」ではなく、「火が無くても煙は立つ」というのがSNSでもあるのだ。
どれだけ企業側が、注意深くSNSをチェックしていても起こりえる、という状況にある、という意識を持つ必要があるだろう。
そのために企業側はどのような対策が必要なのだろう?
その答えが、直感的にツイートをした東急ハンズのサイト運営者の「生活者優先」という視点なのだと思う。
「利益よりも生活者のことを心に置く」情報発信力が、このような想定外の状況で企業のイメージを左右する、ということなのだ。
そしてその影響は、企業側が思っているよりも遥かに大きい。
リンクをした書き込みなどを見ていただくと分かると思うのだが、「東急ハンズ」が無い地域の人の書き込みなどもあるのだ。
それは今後「東急ハンズ」が新たに出店するとき、大きなアドバンテージとなり、既に新たな顧客を獲得したという状況にある、と考えられるからだ。

生活者優先・顧客優先の思考力を、全社に浸透させるために必要なこととは何か?
その回答は、既にドラッカーが著書の中で何度も述べている「企業のトップから現場で働くアルバイトまで同じ理念を共有し、その理念に従った行動を起こすことだ」ということに尽きるのだと思う。