朝日新聞に、首都圏のマンション販売が好調という内容の記事が掲載されている。
朝日新聞:首都圏「億ション」増える 平均価格、バブル期ぶり高値
ここ名古屋でも「億ション」ではないが、マンションの建築ラッシュが続いている。
いわゆる住宅地区だけではなく、繁華街に近い地域などでも新築の高層マンション(いわゆる「タワーマンション」だ)が続いている。
なんとなく「億ションが増える」とか「バブル期ぶりの高値」と聞くと、景気がよさそうな印象を受ける。
多くの人たちに「景気が良い」という実感があるとは思えないが、このような話題が出てくるということは、どこかで景気が良くなっているのかもしれない。
景気には波があるように、いつまでも好景気が続くわけではない。
ましてあの「バブル期」のような、景気が再びあるとは思っていない。
だからこそ、このような記事を一呼吸おいて読む必要があるのでは?と、思っている。
それは、この「億ション」と言われるマンションそのものにもいえると思っている。
20年後この「億ション」にどんな人が住み、暮らしているのか?ということだ。
既に、地方だけではなく都市部でも「空き家」が、問題になりつつある。
今の「億ション」も20年後には、「空き室」が目立つ物件になっている可能性も多いにある。
何故なら、現在「億ション」を購入した人達の生活スタイルなどが変わっていくからだ。
子供がいる家庭であれば、20年後には子供は独立をし、別世帯を持っているだろう。
マンションを購入した親は、既に仕事をリタイアしている可能性もある。
リタイアをしていなくても、昨今の労働環境を考えれば、同じ会社で順調に昇進しているとは限らないだろう。
「億ション」を購入できる人に限らず、20年後の自分の生活や暮らしぶりを想像する、というのはとても難しいのではないだろうか?
20年後、空き室が目立つ「旧億ション」というのは、傍目から見てもなんとなく怖い雰囲気があるのでは?
それは「億ション」に限らず、すべての住宅にいえることだと思う。
そう考えるとマンションであっても、経年と生活者の変化に対応できる「リノベーションのしやすい」という発想が、必要になってくるのではないだろうか?
何よりも考える必要があるのは、20年後のその町の姿を想像することが重要なのだと思う。