朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、CNET JAPANの記事が気になった。
CNET JAPAN:熱狂的な“ファン”を育てる「ファンマーケティング」のコツ
ここで書かれている「ファンマーケティング」という内容、図解もされているので分かりやすいと思う。
ただ「ファンマーケティング」などという、新しい言葉をつくる必要があるのかな?という気もしている。
というのも、ここでいう「ファンマーケティング」と呼ばれる成功例は、「ハーレー」のファンが思い浮かぶ。
ご存じの方も多いバイクのハーレーだが、コアなファンが多いことでも有名だ。
そしてそのコアなファンが、中心となって「ファンコミュニティー」をつくり、ハーレーという企業とは関係なく様々な活動を通してハーレーの商品を使っている。
その意味でハーレーのコアなファンは、ハーレーという企業にとっての重要な顧客であり、無償で広告活動をしてくれる人材ということにもなる。
日本の企業では、任天堂とゲームユーザーという関係と言えば、分かりやすいかもしれない。
家庭用ゲーム機器としては、世界的にも圧倒的なシェアを持つ任天堂。
ただ、多くのゲームユーザーはゲームソフトに興味があり、そのゲームを楽しむ為に任天堂のゲーム機を使っている、という感覚なのではないだろうか?
もちろん、任天堂も十分にそれを理解している。
亡くなられた岩田社長などは、任天堂の社長である前に「ゲーマーである」と公言されるほどのゲーム好きであり、だからこそ任天堂のファンというよりも岩田さんのファンを創ることができたのだと思うし、今でもゲームファンから尊敬を集める人となりえたのだと思う。
ハーレーにしても任天堂にしても、コアなファンを創ろうとしてきたのではないと思う。
ある意味「マーケティング戦略」などという、企業の思惑でファンを創ってきたのではなく、多くの人から支持され、愛されるモノ・コトを提供していきたい、という強い思いがあり、その思いに共感した人たちがその企業のファンになっていったのではないだろうか?
だからこそ、随分前からマーケティングでは「インテマシーロック=親しみに鍵をかける」の重要性が指摘され続けてきているのだ。
その為には何が必要なのか?という回答の一つは、任天堂やハーレー、あるいは「ロングセラー」と呼ばれる商品が出してくれている。
ビジネスでは目新しい(あるいは「耳新しい」)カタカナ言葉が、日々誕生し(?)経済誌などをにぎわす。
しかしどんなに時代が変わっても、その本質は変わることが無い(と考えている)。
むしろ新しく何かが動き始めると感じる今だからこそ、本質となるものを知る必要があると感じている。