連日報道される、「新型コロナウイルス」関連のニュース。
本来ならば、トップ扱いとなるはずの国内外のニュースは、一体どこへ?という状況が続いている。
連日一つのテーマに絞ったニュースを見続けていると、社会全体の動きが分からなくなってしまう、ということは無いだろうか?
確かに「新型コロナウイルス」関連の情報は、重要だと思うのだがその伝え方一つで、受け手となる生活者の気持ちは随分違ってくるのでは?という、気がしている。
というのも、連日報道される内容は
①安倍さんの思い付き政策のようにしか思えない、関連法案や政府の指示
②感染者数と死亡者数、発生地域や発生場所
という2点に、絞られているように思えるからだ。
特に②については、感染者数と発生地域や場所の報道では「クラスター」という、聞き慣れない言葉がいきなり使われるようになった。
分析などの仕事をしていれば「クラスター」と聞いて、「あぁぁ、集団とか群れのことね」とわかるかもしれないが、突然聞き慣れない言葉が大量に使われるようになると、その意味も十分に理解できないまま不安を煽ることに繋がるような気がするのだ。
もう少し、情報の受け手である生活者に分かりやすい言葉を使えば、「言葉による不安」は幾分でも解消されるのではないだろうか?
それとも、生活者にとって聞き慣れない言葉を多用することで、何かから「目をそらせたい!」という気持ちが、使う側にあるのだろうか?
もう一つは、感染者数と死亡者数ばかりではなく、無事退院をした人数なども報道すべきだと思うのだ。
死亡者のニュースの時には、亡くなられた方の年齢なども伝えられるが、情報として印象には残りにくいのでは?と、感じている。
「人が亡くなる」ということのほうが、インパクトがあり過ぎて、亡くなられた方の年齢など気に留められないからだ。
そのような場合、グラフや表などで分かりやすく説明をすれば、亡くなられた方は高齢者に多いんだな?とか、既往症があった方なのか?ということもわかると思うからだ。
近代看護の母とも言われるナイチンゲールは、実は統計にも造詣が深かったと言われている。
看護の重要性を周囲に説く為に、ナイチンゲールが多用したのがクリミア戦争における「医療衛生」についての統計だった、と言われているからだ。
ナイチンゲールが周囲を説得したように、統計から見た現在の「新型コロナウイルス」の患者数や入院患者数、死亡者数とその年齢分布、退院患者数とその年齢分布などが、グラフや表となって知らされることで、生活者側が客観的で冷静な判断材料となるのではないだろうか?
今の状況は、国の思い付き政策で動揺しているうえに、聞き慣れない言葉の多用。
何より客観的な統計情報が無いことで、余計に社会がヒステリックになっているように感じるのだ。
「冷静に落ち着いて」というのは簡単だが、「冷静に落ち着かせるために」どのように伝えることが良いのか?という、トコロまで考えた報道や対応策を考えてもらいたい、と思うのだ。