日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

安倍さんの強さは、「考えない」ことだけではなかった

2020-03-02 17:29:10 | 徒然

一昨日の夕方、官邸であった安倍首相の「新型コロナウイルス対策」についての会見。
この会見については、大批判が出ている。
特に、事前に記者からの質問内容が安倍さん側に伝えられており、その内容についての回答はしたものの、それ以外の質問を指定された3社以外のメディア企業から手が上がると、サッサと「時間がないので」と言って、強引に打ち切ってしまったことなどは、中継を見ていた国民からも相当な批難の的となっているようだ。

この時の会見はネットでもライブ配信をされていたので、テレビではなくネットを見ながらTwitterに呟く人たちも多かったことから、安倍さんをはじめ自民党幹部の人たちが思っているよりも早い速度で、安倍さんの態度に対する批判が拡散されたのでは?と、想像している。
ただ、安倍さんをはじめ自民党幹部の人たちが、その事実を知っているのか?というと、疑問だ。

断片的ではあったが、このライブ配信を見た時「今の日本のリーダーは、思考しないのだな~」という気がした。
自分で考えることを放棄し、事前に官僚がつくった回答を読むだけの人物が日本のリーダーなのだ、というある種のショックを受けた。
と同時に、「思いつき」だけで政策を考えるようなリーダーで、日本は大丈夫なのか?という気がしたのだ。
まるで「思いつき全体主義」のような印象を持ったのだ。

ご存じの方も多いと思うのだが、ハンナ・アーレントが指摘した「全体主義」というのは、ヒットラーのような強力な指導者の登場によって、市民や官僚が「自分で考えることを放棄し、指導者の考えに付き従う社会」ということを指している。
ところが、今の日本のリーダーは「リーダーに権力だけが集中し、そのリーダーは自分で考えることを放棄し、その場の思い付きでモノを言い、困ると官僚に助けを求める」という状況のように思えたからだ。
だから、あらかじめ決められた回答以外の質問には答えることができないため、強引に会見を終了させるしか方法が無かったのだろう。

同様のことを感じられた方も多かったようだが、その中で東京新聞の望月さんの記事を読んで、妙に納得してしまった。
Smart FLASH:東京新聞・望月衣塑子、安倍首相の「学ばない強さ」の呆然

これまでの安倍さんの発言などを見ていると、「日本語が得意ではないのかな?」と感じることが多々あった。
麻生さんの「未曽有」の読み間違いどころのレベルではない、「日本語の解釈としてどうなの?」と感じるほど、ご自分の都合の良い解釈で、答弁をされることが多々あった。そしてその後、何かしらの指摘がされても直ることが無かったように思う。
普通であれば、間違いを指摘されれば改めて学習をし直し、正しい理解をするはずだ(少なくとも、そのように小学生の頃からそのように学習させられてきたはずなのだ)。
しかし、安倍さんはかたくなに自分の間違った解釈を通そうとすることが多い。
特にここ2,3年は顕著になってきている気がする。
そして「首相」という座が、それを可能にしているのだ。
だからこそ、安倍さんは「学習をしないし、学習しない(=間違いを訂正しない)強さ」があるのだろう。