Yahoo!のトピックスを見て、情けなく感じる記事があった。
毎日新聞の「政府がマスクチームを立ち上げた」という、ニュースだ。
毎日新聞:政府が「マスクチーム」 自治体保有分、病院などへの配布調整 新型コロナ
このニュースよりも先に、政府による「マスクの転売禁止」という法令が15日から施行される、というニュースもあった。
東京新聞:マスク転売禁止の政令15日施行 品薄続き、違反で懲役も
あくまでも個人的な思いだが、このようなことは「政府が決める」ことだろうか?
特に「マスクの転売禁止」については、C2Cサイトが「マスクをはじめとする衛生用品の出品を禁ずる」という、文言一つで済む話なのではないだろうか?
それを政令で違反や懲役などという、罰則を設けてまですることなのだろうか?
「新型コロナウイルス」に関する転売問題は、C2Cサイトを運営する側にとっての「社会的倫理観を問われている」という、問題意識の無さが、ここまで問題を広げてしまったのではないだろうか?
これまで日本の企業は「経済優先」と言う言葉を御旗にして、儲けを優先させてきた。
儲けることが悪いことではない。
儲けが出ることによって、その企業で働く人たちへは賃金が払われ、その賃金によって生活や子供の教育に使われ、まわりまわって「お金という血流が巡る」様になる。
他にも、「税」を納めることで実際には企業と関係のない人たちにも、「儲けによって得たお金」が使われるようになる、というのが「資本主義」の基本だと言えるからだ。
しかし、そのような「お金と税が、多くの人に行き渡る」ためには、「企業の倫理観」というものが必要になる。
「企業の倫理観」とは、「公正な商取引を行う」ということだ。
社会で問題になった「マスクの転売ヤー」による、常識を逸脱したようなビジネスに、何故、日本の経済界は「ノー」と言わなかったのだろう?
C2Cサイトを運営する企業に対して、苦言を呈することをしなかったのだろうか?
国が、このような法令を定めるということは、経済界にとって恥ずべきことではないだろうか?
確かに「資本主義経済」は「自由経済」でもある。
「自由だから何をしても良い」というわけではないはずだ。
日本の経済界という世界を牛耳っている方たちにとって、C2Cビジネスは「大したことのない商売」だと高を括っていたのだろうか?
とすれば、残念ながら「今」という社会が見えていない人たちが、日本の経済界を牛耳っている、ということになるのでは?
そう考えれば、バブル経済が崩壊してから30年も経過しているのに、日本経済に明るい兆しが見えてこない理由もわかるような気になってくる。
「自治体保有分のマスクを病院などへ配布」という内容にしても、「市立病院」等はもともと自治体に属していることを考えれば、自治体の首長さんが「保有分のマスクを病院に配布する。市立病院以外についても準じる」という声明一つで、片付く問題のような気がするのだ。
安倍さんは、今回の「新型ウイルス対策」でリーダーシップを発揮している、という気分のようだが、どこか的が外れているような気がする。
ただ安倍さんだけが的外れなのではなく、日本を動かしている人たちのほとんどが「的外れ」な思考で、手柄を立てようとしているように思えてくるのだ。
それはむしろ「恥ずべきこと」なのではないだろうか?