日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

自分の体をもっと知ってほしい。

2021-03-23 21:29:10 | 徒然

昨年、欧州から広がった「生理用品が買えない女性の貧困」という問題。
この問題は、対岸の火事のような問題ではなかったようだ。
既にこの日本でも「生理用品が買えない女性」が、若い世代を中心に起きているようだ。
Huffpost:足立区や北区、生理用品を無料で配布へ。「生理の貧困」問題に拡がる自治体の支援

「生理の貧困」という欧州での話題が出た時、「それほど生理用品が高額なのか?」と、疑問に感じたのだがそれが、まさか日本でも同様に起きているとは思いもよらなかった。
今話題となっているのは「貧困と女性」という、経済的な面だけだが「女性と生理用品」という視点で考えた時には、「経済」という問題だけではない部分も浮かび上がってくる。
それは「性と生」という問題だ。
この「性と生」の問題に関しては、日本独特なものではないか?という、気がしている。

かつて日本では、初潮が来た時赤飯を炊いてお祝いをした。
それは「妊娠ができる体ができつつある」という、成長のお祝いでもあったはずだ。
ところがそれがいつの間にか、「毎月来る厄介なもの」という受け止め方がされるようになり、「生理」という話題そのものが「後ろめたい女性特有の生理現象」の様になってきた。

確かに「生理」そのもの話題をオープンに話せるのは、女性同士の中でも難しい。
何故なら、「生理痛」一つとっても個人差があり、辛さも人それぞれだからだ。
だから「生理痛が酷い」と言っても、「そうなんだね」ということはできても、「共感」することはなかなか難しい。
だからと言って「生理」が無くては、妊娠することもできない。
妊娠するためには「生理」が、必要なのだ。

それだけではなく「妊娠・出産・子育て」という一連の出来事が、女性だけの問題となってしまっているのも、日本独特の問題なのかもしれない。
今だに、10代の女性が「妊娠」を隠し、出産直後に新生児を殺すという事件が起きている。
女性一人で妊娠できるわけではないのに、注目され犯罪者となってしまうのは10代の女性だけだ。
そこには「妊娠をさせた男性」の姿カタチが全く見えてこない。
何故なら、日本では思春期の頃から「性に対する教育」が、されてきていないからだろう。

ここ数年、問題となりつつある「デートDV」という言葉がある。
親しい関係にある異性(最近は同性も含まれていると思われる)から、暴力を振るわれるという問題だ。
この「暴力」の中には、「同意のない性交渉」も含まれている、ということを知っている若い女性がどれほどいるのだろう?
「同意のない性交渉」という場面で使われることばに、「愛(しているなら当然)」という言葉がある。
そして一度、そのような関係ができてしまうと、「当たり前」のような関係になってしまう。
だが一方的な「愛」という言葉は、「欲情」を置き換えただけの言葉なのだ。
そこには、本当の「愛おしい」という感情はない。
何故なら「愛おしい」のであれば、パートナーに対して「思いやる」気持ちがあるはずだ。

もう一つ忘れて欲しくないのは「性交渉」は、「生殖行動」であるという点だ。
「生理」がある、ということは上述したように、「妊娠できる体」だというサインなのだ。
だからこそ、メイクやファッションにお金をかける前に、「生理用品」をシッカリ用意して欲しいし、「性交渉」という意味についても学んでほしい。
それは「自分の体を労わる」スタートだからだ。