日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

SNSという名の魔物

2023-05-24 22:13:08 | 徒然

朝日新聞のWebサイトに「SNSに対するリスク」という記事があった。
朝日新聞:SNSは「若者に深刻なリスク」米勧告書 12歳以下も4割使用 

SNSというネット情報ツールは確かに便利なモノだと思う。
企業においては、PRを含む広告の場となっているし、個人においても自分の考えや主張、情報を発信できる場となっている。
多くのネットユーザーは、それらの見聞きしても取捨選択ができるだろう。
ただ問題となるのは、SNSに感化されやすい環境にいる子供と、デジタル環境とは縁遠い世代の人たちだろう。
もちろん、SNSに溢れかえる様々な情報に感化されやすい人たちも、数多くいる。
いわゆる「情報リテラシー」と呼ばれる、「読解力」に難の有る人たちのことだ。
最近の言葉でいうなら「ネットウヨ」とか「Qアノン」と呼ばれる、様々なモノ・コトにたいして「陰謀論」を繰り広げ、注目と共感を得ようとする人達も含まれるかもしれない。
ここでの問題は、そのような社会的雰囲気を作ろうとしている人達ではなく、そのような社会的雰囲気にのみ込まれてしまう人達のことだ。

SNSの強みである「共感性を得やすい環境」は、「感化されやすい環境」であり、それが自分と全く関わりのない人たちを攻撃しやすくするツールとなる、ということでもある。
しかも、一度「攻撃の炎上」したSNSを鎮静化させるのは、至難の業だ。
それが悪い影響として現れるのが、タレントさんを自死に追い込むような「誹謗中傷」ということになる。

そのような過程を十分理解できない子供の頃から、身近な情報ツールとしてあることで、「批判と誹謗中傷の違い」が分からなくなり、ただ単に「思いつきの言葉の垂れ流し」という場にSNSがなってしまう、という警告を米国の調査はしているのだと思う。
自分とは直接的に関係のない人達を、激しい言葉で傷つける事に慣れてしまうと、それが当たりまえの感覚になってしまう。
そのような感性を感情の土台に持ってしまえば、その子供たちの将来の「倫理感」はどうなってしまうのか?
「倫理観」の成長だけではなく、そのような言葉を投げかけられた子供たち自身もまた、大きな心の傷を持ってしまうのでは?という、懸念をこのアメリカのレポートは警告しているのでは?
ただし、上述した通りこのような「SNSの危険にさらされる人たち」というのは、決して子ども達だけではない、ということの理解と対策が必要なのだと思う。