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「お墨付き」という、安心感 -新型コロナ2類相当から5類‐

2023-05-08 19:16:11 | 徒然

4年近く猛威を振るっていた「新型コロナ」が、収束する目途がたったようだ。
先週末には、WHOが新型コロナに対する「緊急事態宣言」を解除する、と発表。
そして、今日から感染症2類相当から「季節性インフルエンザ」とほぼ同じ5類へと、変更された。
真意はともかく、まるでWHOの対応は、日本の5類への移行を待っての発表だった印象を受ける。

3月、「マスク着用の判断は個人に任せる」という方針になってから、まだまだマスクをしている人が多いとはいえ、「マスクからの解放」が一つの呼び水になったかのように、今年のGWは観光地などでは大賑わいだったようだ。
高速道路の渋滞状況も、久しぶりの渋滞予想を聞いたような気がする。

もちろん、専門家と言われる方々の中には「感染が無くなったわけではないので、5類への移行は時期尚早」という意見もあったようだが、であれば、感染者率や死亡率などがどれくらいになれば、「時期尚早」ではなくなるのだろう?
そもそも、昨日と今日は連続的な時間の中で生まれてくる「日にち」という概念だ。
昨日まで感染の主流となっていた「新型コロナ変異株」と、今日の「新型コロナ変異株」の大きな違いはないはずだ。
時間という連続性の中で「新型コロナ」は、次々と変異し新たな特製を獲得するコトで、感染拡大をしてきたはずだ。
昨日と今日の間に「新型コロナ」の変異の連続性が途切れ、無くなってしまったわけではない。
ということは、「新型コロナ」の変異株は今後も発生し続ける、と考える方が自然だろう。

しかし、いつまででも「新型コロナの変異株」を恐れていては、様々な弊害が起きてくる。
特に経済に与える影響は大きい。
だからこそ、今までのような2類相当にし続けることに、社会的メリットがないという「政治的判断」が必要となってくるのだ。

「政治的判断」というお墨付きを得る事で、多くの人は「(必要以上の)不安が軽減」され、医療機関にしても特定の病院に集中することなく、治療が受けられる機会を得る事ができる、ということになる。
その「お墨付き」という安心が、実際の感染状況以上に必要だった、ということなのだと思う。

拙ブログでは、「データのとり方と発表の仕方」について疑問を呈してきたつもりだ。
客観的判断となるデータ発表がされていたとは言い難い、と感じていたからだ。
客観性に富まないデータ発表が長い間継続されたことで、生活者の多くは「発表される数字」に対して、徐々に無関心になっていったのでは?という気もしている。
何故なら、「発表される数字の意味」が、年数を経るごとに分からなくなっていった感があるからだ。
反面、「発表される数字」の影響力はとても大きかった。
「新型コロナ」の変異株が見つかる度に、感染者・陽性者の数字が跳ね上がったからだ。
その跳ね上がる数字を見て、多くの生活者が不安を感じ、「やはり新型コロナは怖い」という不安を植え付けるということの繰り返しだったようにも感じている。
ただ、年数を経るごとにその「不安感」が、薄れていったということでもある。
その繰り返しが、ここ2年ほどされてきたような気がしている。
だからこそ、「政府のお墨付き」が必要だったのだと思っている。