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目的が分からなくなりつつある?「マイナンバーカード」

2023-05-17 23:08:05 | アラカルト

「マイナンバーカード」に関連する、トラブルが続いている。
そのトラブル内容というのが、「マイナンバーの健康保険証」の紐づけが間違っていた。「コンビニでマイナンバーカードを使って住民票などを取り寄せたら、違う人のものだった」といったものだ。
おそらく「健康保険証」との紐づけに関しては、データ入力の際に間違えたのでは?ということらしい。
それに対して「コンビニでの住民票取り寄せ」は、システム的な問題だったのでは?ということのようだ。

データ入力の間違いが起きた理由の一つに、「マイナポイント」キャンペーン実施により、「マイナンバーカード」を持つ人が増えたため、処理が膨大になった為らしい。
システム的な問題となると、これはプログラムの設計ミスということになると思うので、「問題の原因」がそれぞれ違うと考える必要があるようだ。

ところで、「マイナンバー」というシステムの目的は、一体何だったのだろう?
この「マイナンバー」の導入が検討された時、「国民背番号制」という仮称が使われ、随分反発があったような記憶がある。
その時検討されていたものの一つに「納税と銀行などの預貯金など、国民のお金の流れを把握する」ということがあったように記憶している。
「国民のお金の流れを国が把握する」ということに対して、反発が大きく一時期見送られたような記憶もある。
しかし現在では、企業や自治体で働いている人は、有無も言わせず「マイナンバー」の番号を提出するコトになっているはずだ。
そして、銀行や証券会社などの口座開設の時にも、「マイナンバー」の番号登録が必要になっていると思う。
結局は、当初の目的通り「国民のお金(=資産)の流れ」は、ある程度国が把握できるようになっている、ということなのでは?

今回のトラブルの原因は「マイナンバー」ではなく、「マイナンバーカード」という、別問題ということになる。
何故なら、「マイナンバーカード」に様々なサービスを付加するコトで、「マイナンバーカードを持つつ生活が便利になりますよ」という、ことをテレビCMをはじめとする様々な媒体を通して、訴求してきたからだ。
そして一番効果的だったのが「マイナポイント」という、ある種の税金のバラマキだった、ということだ。

この「マイナンバー」という制度と、「マイナンバーカード」という国が提供するサービスを明確に分けて説明をすることが、まず大事なのでは?
その部分をはっきりさせないと、「マイナンバー」という制度そのものへの不信感は広がるだろうし、国民が「マイナンバー」を拒否するコトができないからだ。
何となくだが、「マイナンバーカード」の普及を急ぐあまり、本来の「マイナンバー」の運用目的がおざなりになってしまったのでは?という、気がしている。

あくまでも個人的な感覚だが、「マイナンバーカード」が無くても、日ごろの生活には不自由はない。
納税の時でも、「マイナンバーカード」を提示する必要はないし、各自治体で発行される「国民健康保険証」や企業・公務員に発行される「健康保険証」にマイナンバーが登録されていれば、問題はないはずだ。
これから先、「マイナンバーカード」を持っていないコトで不自由となるとすれば、運転免許所のような「身分証明書」が、「マイナンバーカード」に統一された場合だろう。
そのような動きが起きるのも、全て「国の都合」であり「マイナンバーカード」普及の為なのでは?と勘繰りたくなってしまう。

今のような「マイナンバーカード」に対する不信感を、一掃するには「マイナンバー」と「マイナンバーカード」の違いから、丁寧な説明が必要だと思う。