朝日新聞のWebサイトに、1月にラスベガスで開催された「CES2024」についての記事があった。
朝日新聞:次のトレンドはIT✕高齢者=「エイジテック」 AI進化で急成長
AIは当然、ITという言葉を聞くと「若者向け」あるいは「パソコン等に詳しい人向け」という、認識を持たれる方も少なくない。
まして、高齢者となればITは勿論AI等は「無縁」のモノという、感覚を持っている方も多いと思う。
実際、スマートフォン等を使いこなす高齢者を見ると「お年を召しているのに、凄いですね~」という言葉を、かけたくなる。
しかし視点を変えると、「生活をサポートするツール」をITやAIに求めるのであれば、必然的に「社会的ハンディのある人達」が、対象となってくるはずだ。
そして、そのような「社会的ハンディ」がボリュームゾーンとして顕著なのが、「高齢者」ということになる。
また今20代、30代の人達であっても、いつかは「高齢者」と呼ばれる年齢に達する。
まして今や日本では「人生100年時代」とも、言われるようになってきている。
100歳を超える高齢者が、特別な存在ではなく、身近な存在になる、ということでもあるのだ。
とはいっても、加齢に伴う老化は避けられない。
その「老化」を悪いコトとしてとらえる傾向が、強いようにも感じる部分は多々あるが、その「老化」を受け入れた上で「自分らしい生き方と人生のエンドロール」を考える必要があり、その為のサポートツールとしてITやAIを活用しよう、という考えが「エイジテック」ということになるのだろう。
おそらくこのような問題は、先進諸国ではますます重要になってくるだろう。
そう考えると「エイジテック」と呼ばれる市場は、とても大きな市場であると言える。
日本の場合、独居老人と生活ケアを必要としている老人の多くが、重なっているのでは?と考えている。
何故なら、現在実家で独居老人状態の父が、そのような状況だからだ。
デイケアなどを利用しつつも、やはりそれだけでは不安なところもあるし、何より「時代小説が好きだった」父が、興味を失ったということも、心配の種でもある。
興味の対象が代わったのであれば問題はないのだが、本も読まずボンヤリと過ごす日が増え始めている、ということに遠距離介護をしている私としては、不安な部分でもあるのだ。
そのような部分をもしITやAIがカバーできるというのであれば、随分家族の心理的負担も減るのでは?という気がするのだ。
もう一つ忘れてはいけないのは、「社会的ハンディのある人が使い易い」ということは、そうではない人にとっても使い易い、ということでもある。
病気をしたり怪我をすると、日常生活がままならないことになる。
その時、手助けとなるのが「エイジテック」の技術、ということも十分考えられるのだ。
それだけではなく、子育て中に親ごさんにとっても、安心を提供できる技術なのでは?という、気がしている。
何故なら、子供の成長過程は、「できないことができるようになる過程」であり、高齢者の老齢化は「できていたことができなくなる過程」でもあるからだ。
そのような視点で考えると、「エイジテック」という考えは、「ユニバーサル・テック」ということになるのかもしれないし、そのような視点で発展していってほしいと考えている。