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船井電機の倒産を考える

2024-10-25 19:02:29 | ビジネス

突然発表されたような印象がある、船井電機の倒産。
今日、破産手続きが開始された、と報道されている。
日経新聞: 「世界のFUNAI」船井電機が倒産 低価格帯テレビで一世風靡 

有料記事なので、全文を読むことはできないが、読める範囲で考えると「事業悪化による倒産」という、印象がある。
多くの場合企業の倒産は「事業悪化によるもの」なので、そのような印象を持つのは当然だろう。
しかし、他のニュースソースでは単純な「事業悪化による倒産ではない」という点も、見えてくる。
株式会社東京商工リサーチ:船井電機(株) TSR速報 

東京商工リサーチは、企業の与信管理を支援する企業だ。
その意味では、単なる事業の業績だけではなく、経営そのものにかかわる情報も扱っているため、内情も知っているということになるだろう。

まず、船井電機という企業だが、ここ数年はヤマダ電機の低価格帯テレビメーカーという、イメージが強いのでは?と思っている。
しかし、1970年代~OEMで家電を製造してきた企業として、知られていた。
もちろん、FUNAIブランドで海外展開もし、メジャーブランドをしのぐほどの人気もあった。
今の若い方は知らないと思うのだが、1970年代~バブル経済の頃まで船井電機のような優れた技術を持つ中規模家電メーカーが、大手家電メーカーのOEM製品を製造していた、ということは多々あった。
例えば、赤井電機などは音響機器メーカーとして、大手オーディオメーカーに対するOEM製品を提供していた気がする。

船井電機の最初の衰退(と言っては失礼だが)は、国内家電メーカーが次々と海外に生産拠点を移したことが大きかったのでは?という、気がしていた。
だからこそ、ヤマダ電機がFUNAIブランドの製品を扱うと知った時、日本の中規模メーカーの良さを家電量販店が、認めたのか?と、わずかにうれしく思ったのだった。

そして東京商工リサーチの記事を読み進めていくと、ミュゼという企業名が出てきて違和感を感じたのだ。
ミュゼという企業は、いわゆる低価格エステサロンを運営していた企業だったはずだ。
そしてミュゼが倒産するときに関わった企業が、今回の船井電機の倒産にも名前が出てきている。
船井電機とは全くの異業種であるミュゼと結び付けるものが、その企業の様でもあるのだ。

気になって、船井電機のHPを見て見ると今月の3日に、経営体制が一新されている。
船井電機HP:新経営体制につきまして 

HPを見る限りでは「新体制で企業を発展させていく」という印象を与える文面のように感じるのだ。
その為、新体制発表後20日余りでの倒産ということに、違和感を感じるのだ。

今後、そのような管財処理がされていくのかは不明だが、船井電機が長い間培ってきた技術などは、日本の企業が引き継いで欲しいと願っている。