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投票率を上げる「選挙割」に、もう一工夫

2024-10-27 18:37:51 | マーケティング

今日投開票となっている、衆議院選挙。
石破総理の解散発言から、時間があまりなかった感のある、衆議院選挙。
その中で、若い人達が積極的に、投票率を上げようとある活動をしていた。
選挙期間中、テレビの情報番組などでも報道されたので、ご存じの方も多いかもしれない「選挙割」というサービスだ。

投票率の低下は、強い組織票を持つ政党にとっては、メリットが高いと言われている。
何故なら、一定数を確保できる「大票田」が、選挙の当落を決める時に有利に働くからだ。
逆に言えば、組織票を持たない新しい政党や小さな政党は、いくら街頭演説で政策を訴えたとしても、当落に反映されないということになる。
覚えていらっしゃる方もいると思うが、ある自民党の大物政治家が「(選挙に無関心な人は)寝てもらっていた方が良い」と話、大問題になったことがあった。
時事通信:あの人の忘れ得ぬ言葉

「選挙に無関心な人」とつくりだしたのは、いったい誰だったのか?
そんな社会的雰囲気を打開しようと、「投票することが、自分の政治参加」という、理念を掲げながらも、その行動の動機付けとなるように、という動きが「選挙割」という、選挙に行くともらえる「投票済証」を協賛店舗に提示し、割引サービスを受ける、というアイディアだ。

このアイディアを知った時、若い人達の政治参加意識が低いのではなく、動機付けがきちんとされてこなかったのかな?という、気持ちにもなったし、そもそも政治に無関心になった理由は、国会で話合わせていることの多くが、生活者に響く内容ではないからなのでは?という、気がしたのだ。
有権者にとって、自分事として考えられるテーマでありながら、国会での論戦の多くは既定路線であり、自分の1票で社会が変わる、という期待感が無くなっていると感じているからなのでは?という気がしたのだ。
それが上述した「寝てもらった方が良い」発言に、繋がるのだと思う。

話を戻すと、この「選挙割」まだまだ認知度が高くないのが残念な気がする。
「選挙に行くと、オマケがもらえる=選挙割」なのだが、「どこで使えるの?どうやって選挙割のお店を知ることができるの?」という、疑問を解消する、というステップにあるのでは?と、感じたのだ。

若い人達が、様々な店舗を周り「選挙割」の協賛をお願いしているのであれば、その活動をサポートするのは大人の役目かもしれない。
このような企画に対して、情報とお店への誘導という「2つのアクセス」を円滑にする、ということを体験してきているはずだからだ。
私からの提案としては、投票所出入り口に「選挙割協賛リスト」のQRコードを掲示する、という方法があるのでは?と、思ったのだ。
自治体の広報に、選挙の案内が掲載されれば、欄外広告欄に参加店舗が「選挙割QRコード」を掲載する、という方法もあるかもしれない。
あるいはスーパーなどでは、店頭Popにこのような「選挙割」を告知する、ということもできるだろう。
「投票済証」そのものに、QRコードを印刷し利用店舗で読みとり、利用実績の統計を取る、ということができれば一番良いと思うのだが、「投票済証」そのものは、そのような目的で作られているものではないので、利用店舗で提示するという方法での対応しかできないだろう。

せっかく若い人達が動いて、定着し始めた「選挙割」というサービス。
今後より定着させていくためには、協賛店を増やしていくだけではなく、情報と店舗への誘導という2つのアクセスをよりスムーズにさせる、問ことが大事な気がする。