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吉本のお笑いが、つまらなくなった(ように感じる)理由が分かった気がした

2019-08-01 12:35:50 | アラカルト

今日の朝日新聞に、吉本興業が主催する「合宿参加」の誓約書についての記事があった。
記事を読んだとき「お笑いを提供する吉本なのに、笑えないな~」という、気がしたのだった。
Huffpost:「死亡しても責任は一切負いません」吉本興業が研修生に誓約書

この誓約書は、吉本興業が主催している「NSC」と呼ばれるスクールでの合宿参加の為も誓約書のようだ。
「NSC」の授業内容が分からないので、「死亡」を想定するほど体を張った研修があるのか?という印象を与える内容なのだが、Huffpostの記事ではそのような研修ではないようだ。

研修の内容としては、危険性の無いものだとしても、何故誓約書にこのような項目を入れていたのだろうか?
お笑いを学ぶ研修だから、この程度のジョークは許される、という判断があったということだろうか?
参加対象者の多くは、NSCの生徒(というのだろうか?)なので、誓約書の内容にジョークが入っている、という認識をしていると思っていたのだろうか?

吉本興業側としては、今回の「闇営業」の問題から、このような「誓約書」まで発展するとは思っていなかったと思う。
このような「誓約書」が、新聞に報じられるということ自体、青天の霹靂だったかもしれない。
Huffpostの記事を読むと、そのような「ドタバタさ」を感じる。
ただ、記事の中にある「コンポライアンスやリスク管理の強化の為、免責事項の範囲を広げる内容とした」というのは、言い訳にもならない説明ではないだろうか?

そもそも「コンポライアンスやリスク管理」は企業側が行うものであって、免責事項として挙げるものではない。
「研修中の死亡」についての免責も驚いたが、一連に関わる訴訟や賠償なども受け付けない、という内容になってしまうと、それは「誓約書」ではない。
ある意味、参加者に対して「本気度・真剣さ」を図るための一文だったのかもしれないが、笑える内容ではないし、笑って済ませられることでもない。
研修を実施する主催者側の責任放棄、とも読み取れるような内容だからだ。

確かに、昨今「モンスター〇〇」と呼ばれる、クレーマーが数多く存在するのは確かだ。
とすれば、「NSCに入校し、この研修に参加してもプロのお笑い芸人として活躍できる保証はありません」という、一文が必要なだけで、「研修中の事故などによる死亡」やその他免責事項は、要らない文言だったのでは?

お笑いと公的書類のあるべき内容と混同してしまっていた、というのであれば、それは企業内にあるはずの「法務担当者」の怠慢だろう。
その理解の違いが、吉本興業という企業全体にあったとすれば、社会の認識とは大きくズレた理解や感性を持っていた、ということになる。
そのような「ズレた理解や感性」を持った企業が行うお笑いの研修やスクールだと考えると、元々話芸としての漫才に含まれていたはずの社会風刺や権力に対する皮肉などを笑いに変えることは難しいだろう。
「闇営業」で取り沙汰された芸人さんたちの話に、なんとなく笑えないな~と感じていた理由が分かったような気がしたのだ。



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