ここ数日、ブログを途中まで書きながら、書き上げる事が出来なかった。
酷暑による体調不良(というよりも、思考力の低下か?)によるところが大きいのだが、ジグソーパズルのピースが合わないような感覚があったからだ。
その理由を考えていたら、不足していたピースが見つかったのだ。
それが、岸田総理が就任当時から言っている「新しい資本主義」だ。
朝日新聞:なぜ日本は格差が広がるのか 吉川洋さんが語る「新しい資本主義」
まず押さえておきたいのが、マルクスの考えた「資本論」だ。
Diamondon-line:3分でわかる!マルクス『資本論』
実際「3分でわかるのか?」と言えば疑問ではあるが、マルクスの「資本論」の理解が無くては、岸田総理の言う「新しい資本主義」の本質が分からない。
個人的に注目したいのが、マルクスの「資本論」の中に、「将来の優秀な労働力の確保」というものがある。
マルクスが生きた時代の言葉なので、今となっては相当乱暴な言葉のように感じるのだが、「将来の優秀な労働力」という言葉を「子どもへの様々な支援」と置き換える事もできるだろう。
ご存じの通り、日本はOECD諸国の中でも、「子どもに対する公的教育支出」が少ないという指摘が、されている。
OECD :iLibrary 日本
このレポートにあるように、日本の場合「私的=ここの家庭による支出」に、支えられているということが分かる。
「ここの家庭による支出=親の経済力」によって、教育の機会に格差が出るというだけではなく、地方では当たり前のように考えられている「男女に対する教育の考え」によっても、その格差が起きている、ということにも繋がっている。
それが、政府が考えるような「昭和のモデル家庭」であれば、まだ様々な面でカバーできていたのが、一人親家庭が増えたりしたことで「教育」に対する支出格差がますます広がってきている、という現実がある。
同様に、昨日報じられた「最低賃金」も関係してくる。
「地方だから生活費が安い」と思われがちだが、決してそのようなことは無い。
物価は安くても、高齢者が多い地域(=地方)であれば、社会保障費等にかかる金額は大きくなる。
必要最低限の生活費そのものが、地域によっては最初から少ない、ということもあり得るのだ。
とすると、岸田総理が考える「新しい資本主義」なるモノは、これらの問題を解決したうえでの「資本主義」ということになるはずだ。
特に「子どもに対する公的支援」となると、そのようなビジョンは政府だけではなく、社会全体の共通理解となっているのだろうか?という、疑問がある。
都市部における「お受験熱」に対し、「地方における大学進学率の低さ」、これらはすべて地続きの問題のはずだ。
これらの問題を解決する一つの方法として、「子どもに余裕のある教育投資」ができるだけの「最低生活費の確保=最低賃金格差の縮小」、ということにも関わってくる問題でもあるのだ。
ただ今の岸田政権を見ていると、このような問題を直視しているようには思えない。
それどころか、安倍元総理の銃殺を発端とした、「政治と金、宗教」という問題すら、うやむやになりそうな気配がある。
岸田総理の考える「新しい資本主義」とは?という内容を分かりやすく、実現可能な立案を国会で論議してほしいのだが…無理かもしれない。